麻酔の目指すもの:患者の不動化、痛みの回避、筋肉の弛緩
ほとんどの場合、手術には麻酔を欠かすことができません。手術の手技は
ともかく、麻酔に簡単な麻酔というものはありません。本人の年齢、健康状態、
基礎疾患、犬種によって、リスクや方法は変わりますが、大きな手術の麻酔も
小さな手術の麻酔も基本は同じです。
麻酔の目指すものはただひとつ、安全に麻酔をかけて安全に麻酔をさますと
いうことだけです。
昔と比べると、安全性や覚醒と言った面では格段に進歩していますが、
現時点で体に対して全くリスクのない麻酔法というものはまだ存在しません。
健康な若いな個体においては生理的な活動に予備機能があるため、
呼吸・循環機能が多少低下しても麻酔に耐えることができます。しかし、
疾患によって生活することで精一杯で予備機能が低下している個体では、
麻酔をかけることに耐えられないリスクが上昇します。
※※※麻酔のリスク※※※
1.呼吸抑制
2.血圧低下や心臓抑制による循環機能低下
3.術後の誤嚥、その他
疾患毎の麻酔のリスク (1:低リスク ←→ 5:高リスク)
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