ネコのスプレー行動


オスネコは成熟すると、スプレーといわれるオシッコをあちこちにする行動が見られるようになります。スプレーの尿は通常の尿よりも臭いが強いです。また、通常の排尿は地面の上にしますが、スプレー尿は垂直に立っている物(柱や壁)めがけてシュッ、シュッと出ます。病気ではないため治ることはないので室内で飼育する上で問題となります。しつけは不可能です。怒るとストレスにより余計ひどくなることがあります。

メスネコ同士は特に血縁同士で割合仲良く群を作ることがありますが、オスネコは成熟すると、単独行動を取って独自のテリトリーを持つようになります。オスネコ同士はテリトリーをめぐってよく争い、テリトリーの境界には尿をかけて自分の縄張りであることを主張しようとします。

オスとしての本能からスプレーをしているときには
去勢手術が有効です。一般にスプレーの減少率は80%といわれています。

ただし、
外部からの脅威(ex.知らないネコが近くによく来る、工事中でうるさい、家族構成に大きな変動があった)などにより、ネコがストレスを受けているときに、自分の縄張りを主張するためにスプレーをすることがあります。特に神経質なネコでは不安によるスプレーが見られることがあります。このときには去勢の効果がないことがあります。
まず
環境を見直し、脅威となっているものからネコを遠ざける必要があります。

それでも大変なときにはネコの
フェイシャルフェロモンフェリウェイ)を使ってみる価値があります。
ネコがよく人間や物にスリスリしているときに恍惚とした表情を浮かべているのを見たことはありませんか?ネコの頬や顎にはフェイシャルフェロモンのでる腺があって、そこをこすられると心を落ち着かせ、
ネコが気持ちよくなる臭いがでます。今はその化学構造も明らかとなっており、それを合成した製品があります。
スプレータイプになっている物とコンセントに差し込んで拡散させるようになっている物があります。
病院でも入院させているときに神経質になっているネコのケージにシュッとひと吹きしておくと結構リラックスするようです。いわばネコのアロマテラピーですね。