よくお店でネコの胃にたまった毛玉を吐かせるという名目で、ネコ用の草を売っていますね。ネコ草を否定はしませんが必要とは思いません。
草の先がちくちく胃の粘膜を刺激して吐くのですが、毛玉は通常便と一緒に出ていきます。ウサギでは胃の中に毛玉がたまって障害を起こすことがありますが、ネコで病気の原因になったという例はあまり聞いたことがありません。
ネコ草が直接体に悪くはないでしょうが、栄養的にはキャットフードに十分な栄養素が入っています。ヒト・サル・モルモット以外の動物は体内でビタミンCを合成することができるのでビタミンC不足はおこりません。またネコは本来純粋な肉食獣です。ネズミなどの小型動物を丸飲みしたときに、半分消化された植物を摂食してはいますが、生の植物を食べてもあまり栄養にはならないでしょう。
またネコは肉食のみを追求して進化したため、植物を食べたときに有害物質(植物の多くは動物に有害な植物アルカロイドなどの物質を含んでいます)を解毒する能力を失っています。草を食べる癖がつくと、観葉植物や有害植物を食べて中毒を起こさないかが心配です。
毛の長いネコではグルーミングの時に一緒に毛を飲み込んでしまうことも事実です。人間がこまめにブラッシングをしてあげて余分な毛は取ってあげることが必要でしょう。
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