猫のワクチンに関して、副作用として問題になっているのがワクチン接種性線維肉腫というものです。
猫のワクチン後に線維肉腫が起こる可能性はたしかにないとはいえません。昔は白血病のワクチンがだめなんじゃないかと言われていましたが、実際には猫という種自体がもつ異物に対しての反応性のせいだろうと今は言われています。
ワクチンに限らず、注射は基本的に体にとっては異物です。微細な炎症を起こして注射後にしこりを作ることもあるのですが、その炎症から腫瘍へと発展することがまれにあります。
ワクチン接種性線維肉腫も白血病ウイルスに対してのものではなく、ワクチン注射液に含まれる成分に対して反応が起こった結果だと言うことが疑われています。ワクチンにはウイルス成分以外に、免疫反応を促進させるためのアジュバンドというものが入れてあります。アジュバンドの添加により免疫力の向上が促進されますが、引き替えに炎症反応も高まるという部分を持っています。ワクチンが免疫力を高めるものである以上、アジュバンドの添加は避けられないと思います。ワクチンメーカーもそこらへんは悩んでいるようで、免疫力の促進と低い副作用を兼ね備えたより改良されたアジュバンドが開発されると良いのでしょうが。
細かく言えば異物と認識されない注射はありません。ワクチンだからヤバイというよりも、注射自体が潜在的なデメリットは持つのですが、成分への体の反応性の大小で腫瘍になりやすいかどうかに差があると言うことです。
抗生剤ですら、可能性は限りなく少ないですが可能性は否定は出来ないと言うことらしいです。症例は聞いたことありませんが。
結局、問題はメリットとデメリットを比べてどちらの方が大きいかと言うことです。
外に行くコならワクチン後に腫瘍になる確率よりも伝染病で死ぬ確率の方がうんと高いです。ノラのコのエイズ・白血病の保有率は日本では20%を越えているそうです。白血病になってしまうと3年半後の死亡率は85%です。対してワクチン後に線維肉腫になる確率は0.01%です。
うちで使っているフェロバックス3とフェロバックス5に含まれるアジュバンドの含有量は両方とも同じ量です。アジュバンドが一番の刺激源となると言うことを考えると、白血病ワクチンが負担になると言う意見はうーんどうかなと言ったところです。
どのワクチンをうつかはそのコの生活によって決めていただけばいいと思われます。分かりやすく言えば外に行くかどうかです。
白血病は野外で保有猫とグルーミングをしあったときに感染することが多いと言われているため、野外に出なければ接種する必要はありません。
白血病ワクチンの前には血液検査を先にします。かかったいたらうっても意味がないからです。検査キットはウイルス抗原を調べるものですが、感染してから1ヶ月しないと検査で引っかからないことがあります。結果が陰性のコは外に出なければその後も陽性になることは無いでしょう。
白血病ウイルスはお母さんからもらっていることもあるため、外に出さないコでも最初の注射前には検査をした方がいいでしょう。
毎年同じ場所にうつと線維肉腫の発生率が増えると言われていることから、ワクチンの場所を覚えておいて、接種の時に先生に前うった場所を告げることは好ましいと思われます。
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