体にできるしこりとしては膿瘍、腫瘍、水疱、肉芽種、寄生虫があります。診断は臨床症状としこりに針を刺して細胞を見ること、もしくは摘出した組織の病理検査で行います。
膿瘍
けんかや傷により、細菌が皮下に入り込んで起こり、柔らかいことが多く、体温が上昇するので元気・食欲が低下することが多いです。場合により排膿や洗浄が必要です。膿がたまらなくなるまで抗生物質で治療します。放っておくと弱っていったり敗血症で死亡したりすることもあるので早期の治療が必要です。
腫瘍
良性と悪性の物があり、何の細胞が腫瘍化したかによって予後は変わります。いずれにせよ小さくなることはなく(組織球腫以外は)、時間と共にどんどん大きくなっていき、大きくなった後では治療も大変になるので早く受診することが必要です。中高年以降でいられることが多いですが、若くして起こる腫瘍も中にはあります。
水疱
水がたまって膨れている物で、感染や炎症などによって二次的に起こる物と液体を出す腫瘍による物などがあります。予後は原因により、再発はしない物とまたたまってくる物に分かれます。
肉芽腫
炎症に関連して炎症細胞や結合組織がしこりを作っている物です。炎症が治まれば小さくなっていきますが、ある程度残る場合もあります。必要に応じて炎症や感染をコントロールする治療をします。
寄生虫
一番多いのはダニをできものと間違えることです。鉤虫などが皮膚から浸入して肉芽腫を作ることもありますがまれです。
しこりは見た目には区別が付きにくいこともよくあり、また放置により悪化する物が多いです。腫瘍が大きさが2倍になると切除の大きさは4倍以上になります。早めの受診が一番です。
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