昔から栄養バランスが悪いからだとか、寄生虫がいるからだとかいろいろ言われていましたが、現在では必ずしも異常行動とは言い切れないと言われています。病気から行動を起こすことよりも、便を食べるために寄生虫をもらったりして病気になる可能性の方が高いです。
犬はもともと雑食動物であり、他の動物の糞を食べることは必ずしも異常とは言えません。ただ、ウンチを食べた口で飼い主の顔をなめたりすると精神的にも耐え難く、時として人間社会で暮らしていくのに支障を来すため、食べない習慣をつけてあげた方がお互いのためです。
糞を食べる状況で注意するのは食事の量が少なくないか、一日中暇にしていないかなどです。腹を空かし暇をもてあまして目の前にウンチがあれば食べる可能性が高くなります。ゴハンの量と体の肉の付き具合を確認しましょう。
犬は糞を食べる行動をおいしくて楽しいことだと学習している可能性が高いです。悪い行動も習慣となってしまうと治るのには時間がかかります。良い習慣をつけさせ、悪い習慣を少しずつ忘れさせていかないといけません。
一番良いのは人間の確実に手の届く範囲で排便をさせ、した直後にそれを回収する習慣をつけることです。散歩をするのなら、散歩中に排便をさせましょう。散歩させない場合も外に出して排便をさせ、それを回収するようにします。
最初は便をしたらおもいっきり褒め、「人間の前で便をすると良いことがある」と学習させることでしょう。良い習慣を自然につけさせることができればしかる必要もなくなります。失敗させてしかるよりも、成功させて褒めてあげる方がお互い精神的に良いです。
しかる行為は心の絆を壊すことにつながり、犬は怒られたことの意味は分からないことの方が多いと言うことを覚えておく必要があります。
二番目の方法としてはビターアップルなど嫌な味のするものを便にかけておき、便を食べると不快な思いをすると学習させる方法があります。
かけておくものは嫌な刺激と認識され、かつ犬に過度の刺激となってはいけません。タバスコなどは刺激が強すぎるかも知れません。
いずれにせよ、罰を用いてしつけをしようと思うのは間違いです。罰に対して暴力をふるっても、ほとんどの場合犬にはなぜひどい目にあったかの理由は理解できず、「よく分からないが飼い主にひどいことをされた」と思ってしまいます。便を食べること自体は楽しいことだと思いつづけるため、隠れて食べようとします。
飼い主に恐怖感を抱いた場合、甘えたいんだけど怖いという葛藤感から強いストレスを受けます。暴力を用いた罰則は百害あって一理なしです。
食糞癖がついた犬はウンチを食べることは楽しいことだと学習しています。すぐ矯正することは大変ですが、良い習慣づけをできるようにし、悪い習慣を消去するように生活環境を改善してあげて下さい。良い行動の学習はひいては犬と人のお互いの幸せにつながります。
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