野生鳥獣を発見した場合


 野生動物の命は自然のものです。自然に生まれ、自然に死んでいく動物に対しては本来は人間が手出しをすべきではありません。
 でも、交通事故にあったり、ケガをしていたりしている場合にそれを見て「かわいそう」と思う気持ちは人として大切な気持ちだと思います。野生鳥獣を見つけた場合の対応を簡単に述べます。

1.
鳥のヒナ
 春から初夏にかけては鳥のヒナが成長する季節です。巣の下や林の中を通りがかったときに巣の下でヒナを発見することがあります。

 まず確認することは
鳥の大きさです。目も開いておらず、毛もそぞろの場合は巣から落ちた幼いヒナである可能性が高いです。放置すれば死亡します。一番いい方法はもとの巣に帰してあげることです。母鳥は通常元の通りにヒナの世話をしてくれます。
 巣が分からない、戻せないと言った場合には人間が育てることになります。野生鳥獣の飼育は禁止されているため、動物園や動物病院などの施設に相談してください。自分で育てる場合には
放鳥を目的としてのみ30日までの飼育とされています。野生鳥獣保護のサイトなどを参考になさってください。

 毛が生えそろっており、体も大きい場合には
巣立ち前後の若鳥の可能性が高いです。まだ見習い段階で飛ぶのもおぼつかないですが、親鳥は近くで様子をうかがっており、エサも定期的にもらっています。
 この段階の鳥を保護という名目で連れ去るのはただの
誘拐行為です。親鳥はとても悲しがります。今すぐもとの所に返してあげて下さい。そのままなら無事に一人前になれるはずが人間にさらわれたために生きていけない鳥にされてしまいます。
 巣立ち前の若鳥をさらうことは非人道的行為ですのでおやめ下さい。

2.
ケガをした鳥獣
 動物病院か動物園に相談して下さい。

3.
野生動物の飼育について
 野生動物の飼育行為は
鳥獣保護法で禁止されており、法律違反の行為です。先に述べたように、1ヶ月までなら保護のために飼育するのは許されますが、野生で生きていけないなどの事情で家で飼育する場合には都道府県の許可が必要になります。

 よく、自分で捕まえた動物は自分のものだと思ってしまう人がいます。保護した動物を引き取りたい、家で飼いたいと言われても動物病院は動物をお渡しすることは出来ません。
 野生鳥獣の命は自然のものであり、捕まえた人のものではありません。保護をしたとしても所有権はそもそもその人には無く、それを主張することもできません。病院に連れてくるのは保護を委託するためであり、治っても連れてきた人に返すことは出来ません。飼育すると言っている人に渡すわけにもいきません。

 捕まえた動物を自分で飼っている人がよくいらっしゃいますが、
鳥獣保護法で禁止されている行為です。

 知らずに飼っている人も多いですが、ホントはダメなんですよ。