生きるってなんだ


 子どもから「生きるってどういう事?」と聞かれたらどう答えますか。その答えを探る旅がこのコラムの目的の一つでもあります。

 その答えは人それぞれで良いと思います。おそらく唯一の答えはありませんし、いくつもの答え、いろんな側面があるのだと思います。

 今僕がこの問いをされたときにこたえようと思っているのは「
命のリレーの中継選手になることだよ」という答えです。
 人はひとりでに生まれてきたのではありません。最初の命が地球上に生まれ、
何十億年という長い年月をかけ、一度もとぎれることなく自分たちまでつながってきました。その中では大きな環境の試練に耐えたり、形そのものが大きな変化を受けたりもしました。
 人の形になってからも、
今の社会になるまでにいろんな人が文字通り命がけで積み重ねてきたものの上に自分たちが立っているのです。
 生きる権利というものについて考えてみても、それまでは多くの人が踏みにじられ地べたをはいずっていたのが、命を賭した人たちのおかげでより「人間らしく」生きることができるようになりました。

 
そして、今僕達がその世界と社会を受け継いでいます。僕達はそれを次の世代の子達にいい形で引き渡さなければいけません。それは生を受けたものの義務です
 過去の命から引き受けた命を次の世代に良い形で引き渡す、それが生の本質であり、生きるということだと思います。

 子どもには「
お父さんは過去の人たちから引き受けたものをがんばってよくして、おまえ達に渡すんだ。そしておまえはそれを受け取ったら次の子達に渡していかないといけない」と言いたいです。小さいうちは分からないでしょうが、気持ちは伝わると思います。

 自分ががんばって生きた証、それは子ども達が「がんばって生きたい」そう思ってくれるかどうかだと思います。

 「がんばったってしょうがない」そう思ってしまったならば、親の世代の責任だと思います。ただ、そういう人も大人になればまた子供を作るわけで、そういう親からは高い確率で悲観的な子どもができるとしたら・・。
 どうすれば良いんでしょうね。それ以外の人間ががんばるしかないんでしょうか。


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