価値観はどうやって生まれたか
ヒトという種はなぜ価値観というものを持っているのでしょうか。
言うまでもなく、地球上に暮らす生命は人間だけではありません。人間はその知性を
生存のための武器
として磨き上げてきました。知性はより効率的に人間が生存するために役立ってきたと考えられます。
知性を持って生きる動物は
物事に対しての判断をすることが可能
であり、その
判断に基づいて行動を決定
することができます。危険を察知して逃走したり、毒がないかどうかを考えてから食べることなどはその種がより確実に生存することを可能にします。
人間が優れた知性を持っているということは紛れもないことだとは思いますが、物事に価値づけをするのは人間だけではありません。犬でも食べるものに関して好き嫌いがありますし、吠えるべき人としっぽを振るべき人を判断しています。ものごとに対しての価値づけをするということも価値観のひとつであると考えると、人間以外にも非常にたくさんの種がそれぞれの価値観を持っているといっても良さそうです。
人間は知性が優れていると考えられています。ただ、それは
絶対的な優位としてではなく、他の動物と比べての相対的なもの
です。人間はより大きな大脳皮質を持っているという点が差異を生む部分だと考えられます。大脳皮質はものごとを考える際により想像的に、かつ創造的に思考をし、ものごとをより広い視点から深くまで掘り下げて考えることを可能にします。
ものごとを考えるときに、対象に対して価値づけをしていくという点では人間もその他の動物も変わりません。人間において他の種と異なる点は
観察し考察するということを自分達自身に対しても行う
点です。
人間においては自分達自身もが価値づけをする対象となっているのです。もちろんサルなどもある程度発達している大脳皮質を持っているため、それなりの思考はしているものと考えられますが、サルは人間と共通の言葉を持っているわけではないのでどんな思考をしていることは不可能です。
思考する能力という点においては種の違いは相対的なものでしかないと思います。昔の人たちは人間の知性がまず最も優れているという前提の元でしか議論をしませんでしたが、
僕達は人間が地球上にたくさんある種の中のひとつであるということを知っています
。人間よりも知性の優れた種がこれから誕生してくる可能性はないとは言えません。もしそんな種が現れたとしたら、その種の持つ知性・価値観は僕達にはおそらくはかり知ることができないものであると思います。
人間は優れた知性を持つことにより、自分の存在をも考察の対象とし始めました。その時から自身の存在に対する思索が始まったものと考えられます。
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