正しい価値観と世界観


 価値観とは世界をどう捉え、そこで自分がどう生きていくかの判断基準となるものです。
 世界観は人類社会の変遷と新しい知識の獲得によって時代とともに変わっています。また僕達を取り巻く世界自体も、多くは僕達自身の手によって変化してきています。
 
世界と世界観が変わるなら、そこからの取るべき道筋も当然変化します
 従って「正しい価値観」というものは無いことになります。

 人は自分の目で見たものを組み合わせ、自分なりの世界観を形作っていきます。世界観はそれぞれの人によって違うものです。また成長過程を経て、見聞を得るに従って自分の中にある価値観も変わっていきます。

 発達した人間の脳は自分とは何か、世界とは何か、どう生きていけばいいかという問いに対しての答えを求めました。
 たくさんの人が悩み苦しむ中、自分で世界を規定し、生き方を規定する人達もたびたび現れました。彼らは真実を知っていたわけではなく、
自分たちの頭の中で一つの価値観を創り出しそれを真実と呼んだのです。

 正しい価値観は世界の形を自分たちの知性でねじ曲げるところからは生まれません。
 僕達に究極の真実を知ることはできません。僕達にできるのは
より真実に近い知識を得て、そこから健全な選択をしていくことです。
 世界に対しての把握がいびつであるなら、そこからの選択は恐らく誤ったものになります。選択において一番大切なことは最初に正しい目的地を選ぶと言うことです。がむしゃらに進んでいっても行き先が奈落の底では意味がありません。

 人は世界観を築くとき、自分たちに都合のいいように解釈をしようとします。事実をありのままに見ず解釈に意図を混ぜるなら、いびつな世界観となってしまう危険性があります。まずはありのままに世界を見ることが大切です。その上で健全な思考をしていく必要があります。

 価値観を形成していくとき、健全な形成の邪魔をするものとしては
「エゴ、利己、欺瞞、偽善」などがあります。これらを入れると必ず世界観はいびつになります。そしてごく普通の人でもたいていの人がそれと知らず、この4つを世界観と自らの生き方を思考に組み込んでいます。それが悪であるとは断定できませんが、注意をしないと人類の選択を誤らせる可能性は十二分に含んでいます。

 「世界は人が繁栄するためにつくられた」。この考えのバックボーンにあるものはエゴと利己と欺瞞です。もう一度世界を素直に見つめ直し、より正しい認識に基づいた価値観をみんなで築いていかなければいけません。「正しい価値観と世界観」は恐らくありません。
 条件を付けるとすれば、
より良い社会への発展に貢献し、社会の財産となるものということです。


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