多様性こそ財産
世の中にはいろんな価値観、考え方があります。それぞれの文化や社会が成熟していく中で、それぞれの状況に効率的に対処していくために出来たものです。単純比較でどれがすぐれていてどれがダメだと言うことは出来ません。
皆同じ人間ですが、所や時代が違えば考え方も違って当然です。それぞれの考え方が出来たのにはたいてい理由と存在価値があります。
価値観とは社会がその環境をうまく乗り切るための人間にとっての財産
です。
ある社会でうまくいっていた考え方でも、違う社会に持っていってうまく適用するかというとうまくいくとは限りません。
バックボーンにある歴史や風土をふまえないと適用できない場合もあります。
知性を生存の武器にする人間にとって、社会の形成とそれを支える価値観は生存の手段です。
環境は多様で流動的なものであり、自らを取り巻く環境の変化によって社会の形と価値観は変化していかなければなりません。生きる者の使命は
環境を生き抜き、次代へ財産を引き継がせる
ことです。
価値観は生きる目的ではなく、生きるための手段でしかありません
。
世界中の人が同じ価値観を持ったとしたら、たしかに戦争や争いもなくなり、人類はより繁栄をするかも知れません。しかし、価値観の多様性をなくすことは
環境への柔軟性をなくす
と言うことでもあります。ある環境でうまくいっていた方法でも、環境が変化すれば通用しなくなる可能性は多々あります。
一つの価値観が唯一・絶対のものとなると言うことはそれへの批判を許さないと言うことです。また価値観は行動の指針であり、それを一つしか持たないと言うことは自らの行動の選択肢をなくすと言うことです。
自分の行く道の先が奈落へとつながっていたとしても、それを指摘することは許されません。となれば奈落へとつながっていたとしてもそこに向かっていくことになってしまいます。
爆発的な繁栄を謳歌した後に、絶滅した種はかつて無数にあります。いずれも適応力よりも環境の変化が上回ったためのものです。
人間にとっての環境への適応力、それは世界を捉え想像・創造する価値観にあります。
様々な変化に対応するためには様々な価値観があって良いのです。選択肢を減らすことはリスクを増やすことでもあります。今は役に立っていない考え方も、いずれ役に立つときが来るかも知れません。
考え方はいろいろあった方がいいと思いますが、
ただ一つだけしてはいけない考え方は「自分の考え方のみが正しく唯一絶対で、他の考え方は間違っている」と言う考え方
です。この考え方は確実に人を危険にさらします。それは選択肢を捨て去る事であり、自己批判を不可能にする事です。
環境が変われば考え方は変える
べきです。そのためには自らの中にも多様性をため込むべきです。自己矛盾はいけないと言うのはある意味間違いだと思います。
多様性を持つことは柔軟性を持つことです。自分と異なるものに対して存在を認め、お互いが共存できる道を模索する。それはひいては次代へと財産を残すことにつながると思います。
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