猫の飼い方




 犬は集団生活の中で複数で狩りをしますが、猫は単独で行動し狩りをします。犬は家族を群れの仲間と認識しリーダーとして慕いますが、猫は人間を群れの仲間というよりも自分の母親のような存在として慕うと言われています。
 群れを作らないから他の個体と親しくしないかというとそうではなく、雄はたしかに独り立ちして自分のなわばりをしっかり守り他の個体、特に雄とは激しいケンカをしますが、
メスは親・姉妹で共通のなわばりを持ち、仲良く暮らす傾向があるといわれています。雄同士でも気が合えば仲良くできるようです。子猫の時から他の猫とよく接触していた猫では特に「ネコ好き」なコになれるようです。逆に子猫の時にそういう経験をしなかったネコに途中から他のネコと仲良くさせようとしても難しいかもしれません。猫の社会化期は2-7週といわれています。この時期にはいろんな経験をさせるのが重要ですが、この時期にいやな目に遭うと、一生心に残ってしまうことがありますので注意して下さい。

●トイレ
 猫はきれい好きで、トイレを砂場でする本能が備わっているので苦労しないことが多いです。ただ、最初にざぶとんなどを用を足しやすいと間違って覚えることもありますので、その時には怒らずに紛らわしいものを片付け、トイレが一番用を足しやすい状況を作りましょう。怒るのは無意味だけでなく有害です(後述)。

●家の中で飼いましょう
 家の外には他の猫とのケンカや交通事故、迷子になる危険などがいっぱいです。また他の猫からエイズや白血病、伝染性腹膜炎、伝染性鼻気管炎、etc・・などいろんな病気の伝染の可能性もあります。ノラ猫の平均寿命は2-3年といわれています。猫のために家の中で飼うようにしましょう。

●しつけ
 猫は家族をリーダーとしてみているわけではありません。犬はリーダーに従う喜びというのを持っているためしつけをしやすいのですが、猫はそういう感情は持っていないので猫に無償の服従を期待しても無理です。無理矢理いやなことをさせようとすると、人間を警戒するようになります。
 人間のような善悪感情も持っていないため、怒ることはたいがい無意味です。怒ると飼い主と猫の間の心の絆を傷つけることになりかねません。
自分にとっていいことがおきたり心地よいことがあるときにはその状況を学習しますので、それを利用するようにします。
 またなにか良くないことをしているときにはその状況を考えて、
その行動をとれないようにしましょう(例.台の上に魚を置いておかない等)。そんな状況を作った飼い主の方にまず非があるということを覚えておいてください。
 カーテンをひっかくなどの行動には代わりにもっとひっかき心地のいいものを与えるなど、猫の持っている
本能を満たす環境を作ってあげて下さい。
 それでもだめで罰を与えるときには飼い主が直接手を下すのではなく、猫にとって「
天罰が下った」と感じられる方法にして下さい。直接手を下しても飼い主が近づくと逃げて、いなくなるとまた引っ掻き出すのがおちです。天罰としてはコインを入れた空き缶など、大きな音がするものがいいでしょう。猫が自分のした行動といやな経験を結びつけて学習しやすいというのが重要です。