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●栄養バランスがとれたキャットフードを与えましょう
猫は人・犬と違い本来純粋な肉食性動物です。雑食性の犬はいろんなものを食べてそこから栄養素を変換したり、毒物を解毒する能力を進化させましたが、猫はそういう能力をある意味切り捨てて進化してきています。そのため、必須アミノ酸の種類や食べると有害な食物(特に有毒植物)の数が犬よりも多いです。猫にとって必要な栄養バランスは、人間とは異なります(人よりも塩分の必要量が20分の1です)。
人のゴハンは原則としていけません。昔みそ汁をゴハンにかけて「ネコマンマ」と言っていましたが、これは腎不全の発生率を高め、寿命を短くします。また、犬よりも蛋白質・脂肪の必要量が2倍と多く、栄養特異性を持っているため、ドッグフードでの飼育はしないで下さい。
通常はキャットフード(総合栄養食)を与えるのが安心です。ただし、本来の主食は齧歯類であり、魚類ではありません。ある調査では、自然状態での内訳は小型齧歯類が80%、鳥類が20%でした。マグロを捕まえて食べる猫なんていません。魚を食べるようになったのは、日本人が魚をよく食べていたからです。特にリンや不飽和脂肪酸を多く含む魚を多食することにより以下の病気の原因となります。
栄養性二次性上皮小体機能亢進症:リンの多食によって起こり、脊椎・骨盤の変形を起こす
黄色脂肪症:ビタミンEが欠乏し体の脂肪が酸化して全身の痛みや発熱が起こる
ビタミンB1欠乏症:サイアミナーゼというビタミン破壊酵素によっておこる神経・腎障害
栄養のとれたドライフードと水を主体にしてください。猫に野菜は必要ありません。炭水化物は特に栄養として必要としないので、味覚のうち「甘い」という感覚はないといわれています。
●最初はミルク、そして離乳食へ
生後4週目くらいまでは基本的に母乳だけで十分です。特に生後24時間以内の母乳は初乳といい、感染症への抵抗力を付ける上でとても重要なものです。母猫がいない場合は、子猫用のミルクを与えましょう。体重の増加具合では必要に応じて強制給餌が必要になることもあります。
離乳期は4-6週です。生後5週目になったら離乳食としてドライフードを水でふやかし、4時間置きぐらいに与えます。離乳用のキャットフードの缶詰を利用するのもいいでしょう。離乳期になってくると、子猫の乳頭分解能は低くなってくるため牛乳中の乳糖によって下痢を起こすことが多いです。牛乳は与えないでください。
生後2カ月になったら、消化の良い高カロリーの食事を1日3〜4回あげましょう。幼猫用のキャットフードが便利です。
生後5カ月くらいになったら食事の回数は1日2〜3回に減らしていってください。
●妊娠・授乳中の母猫には多めに
妊娠期後半・授乳中の母猫には通常の成猫の1.5〜2倍の量の食事を3〜4回にわけて与えましょう。胎児が体重増加がはっきりしてくるのは妊娠後半(妊娠5週令以降)なので、妊娠期前半は通常量でかまいません。肥満は難産の原因になりますので注意してください。子猫用、妊娠・授乳中の母猫用のフードも市販されています。老猫には硬いもの、消化の良くないものは避けましょう。老猫用のフードもいろいろ売られています。いずれの場合も、きれいな水をたっぷり添えてあげましょう。
●毛の長い猫
毛繕いをしているとき、それを飲み込んで胃の中に毛玉ができることがあります。一番いいのは不必要な毛を飲み込む機会が減るようまめにブラッシングをすることですが、最近では、毛玉を排出させる効果をもったキャットフードやサプリメントなどもありますので気になるようでしたらご相談下さい。
●嘔吐
猫は食道の筋肉全体が横紋筋でできているため(人は食道の途中まで)、病気でなくて吐くことがしばしばあります。吐いた後けろっとしていれば問題ないことが多いのですが、嘔吐が続くようであればなにか病気が根本にある可能性があります。
●中毒・異物
猫は雑食性でないため、犬よりも異物を食べることは少ないですが、肝臓の解毒機能が人や犬よりも少ないため、中毒を食べたときに中毒症状が強く出ます。以下のものは口にしないよう注意してください。
ネギ類、エビ、イカ、タコ、カニ、鳥・魚の骨、豚肉、アワビ、牛乳、ドッグフード、アジ、サビ、ヒヤシンス・すいせん属、サフラン球根、アイリス、ジンチョウゲ、アザレア、ツツジ、キョウチクトウ、月桂樹、極楽鳥花、ほおずきの実、ジャスミン、ベラドンナ、ニセアカシア、ヒマの実、オモト、朝鮮朝顔、朝顔、つるにちそう、あじさい、リンゴ、アンズ、桃、ちどりそう、トリカブト、イチイ、スズラン、風邪薬・鎮痛剤ほか人間の薬
特に観葉植物を口にして中毒になる事故が多いです。草を食べさせる癖はつけさせない方がいいかもしれません。
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