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猫の世界には伝染病がたくさんあります。接触感染の他、空気感染によって移るものもあります。ワクチンを接種して抵抗力をつけておくことにより、ウイルスが入り込んできても症状を最低限に抑えることができます。
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●子ネコのワクチン
子ネコは生まれてすぐにお母さんの初乳を通じて移行抗体をもらい、病気に対しての抵抗力を身につけます。そのため生まれてしばらくは伝染病への抵抗力を持っているのですが、生後時間とともに抗体価が徐々に低下して行き、感染を防げなくなってしまいます。 |
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移行抗体が下がった状態でウイルスが侵入してくると、ウイルスを撃退することが出来ず病気を発症する危険性が高くなってしまいます。移行抗体が低くなったら間をあけずにワクチンをうたないといけません。しかし一方で移行抗体が高い状態ではワクチンをうっても移行抗体に邪魔をされ、効力を発揮しません。
移行抗体の下がり方については、お母さんからもらっている量や個体差により異なります。またローレスポンダーといって、移行抗体がある程度低いのにワクチンをうっても抗体価の上がり方が低い個体もいます。
従って、子猫では間隔をあけて最低2回ワクチンをうちます。そうすればワクチネーション終了後の抗体価が十分であることが望めます。(もし3ヶ月過ぎでうつ場合には1回になります)。
一年目は以上の理由で最低2回うちます(もし3ヶ月過ぎでうつ場合には1回になります)。ワクチンによって得られた抗体価は徐々に下がってきて、やがて病気を予防できなくなる値になってしまうので、1年ごとに注射して抗体価を維持していきます。
●追加接種
成猫での追加接種は1年ごとです。アメリカの大都市の中では予防接種を受けている家庭が90%以上であり、また猫を外飼いする習慣がないため、もっと間隔をあけて接種している地域もあります。しかし、今の日本ではまだ接種率が低いため集団免疫力が低く、外飼いをする習慣が根強いため伝染病が多く、感染源となる猫も普通に生活している、という理由で毎年接種が推奨されています。
●猫伝染性鼻気管炎
ヘルペスウイルスによっておこる病気で、くしゃみ、鼻水などの呼吸器症状と涙、結膜炎、角膜潰瘍などをおこします。くしゃみをしたときに環境中にウイルスがばらまかれるので空気感染をします。伝染力も強いですが、いったん感染すると、症状が消えた後も体の中に潜伏感染し、ストレスがかかると再発したり、ウイルスを排出し他の猫への感染源となります。新生児猫では眼球癒着や鼻軟骨の変形などを起こすこともあります。
●カリシウイルス感染症
これも呼吸器症状でくしゃみ、鼻水などを起こしますが、口の粘膜に感染し、口内炎・舌炎などを起こし、口が痛くてご飯を食べられなくなってしまうこともあります。潜伏感染はしませんが、感染後数ヶ月-数年ウイルスを排出しつづけることが知られています。健康に見えてもウイルスを出していることがあるんですね。
●パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)
嘔吐、下痢、白血球減少などを起こし、急性の経過を経て死亡することが多い病気です。便中に排出されたウイルスは環境中での抵抗力が高く、数ヶ月-数年感染力を持っています。妊娠猫の感染で小脳の奇形が起こることもあります。
以上がネコの3種混合ワクチンに入っているものです。外に行かないネコならば3種で十分かと思います。ワクチンの種類選びのポイントは白血病予防もするかです。
●猫白血病
ウイルスによって起こる病気で、血液・涙・唾液・尿を通じて感染し、仲のいい猫はお互いになめあったりする時にも移ります。体の中のリンパ球が減少し、免疫力低下、体重減少、貧血を起こします。感染した猫は3年半で80%以上が死亡するといわれています。いったんかかると治ることはないため、外に出てしまう猫は接種しておくことをおすすめします。
●クラミジア
ウイルスと最近の中間の病原体によって起こされる病気で結膜炎を起こします。命に関わることは滅多にないですが、結構多いと言われています。アメリカのデータではネコの結膜炎の病原菌の50〜75%にこれが検出されたそうです。
他の猫やノラ猫は元気そうに見えても病気を持っていたり、ウイルスを排出していることもあります。他の猫とのケンカ・エイズ感染や交通事故、迷子などの危険があるため、猫は一生涯家の中で飼うのがベストです。よく外に出さないとかわいそうという声を聞きますが、家の中で猫は落ち着いて入れますし、外に行くことを最初から知らなければ別に不満は持ちません。ノラ猫の平均寿命は2-3年といわれています。長生きできないリスクを考えると家の中で飼いましょう。
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