膀胱結石




 膀胱の中に石がたまる病気で、いろいろな種類の石があります。いずれも膀胱粘膜を傷つけて痛みや血尿を起こしたり、尿道に詰まって尿道閉塞を起こしたりします。尿道閉塞は雄の方が多い(特に陰茎骨の手前)ですが、急性腎不全を起こして早い処置をしないと命に関わる状態です。



リン酸アンモニウムマグネシウム結石ストルバイト結石
 昔から発生の多い石で、特にメス(全体の約70%)に多いです。
尿中の細菌感染体質の問題により尿がアルカリ性となり、尿中のミネラルが溶けきらない状態になると、結晶化して


石を形成し始めます。大きい場合及び内科療法で溶けない場合は手術となりますが、尿の酸性化により比較的溶けやすい石なので、食餌療法から始めていきます。細菌感染が大きく関連している石なので抗生物質も使用します。大きい場合や溶けない場合には手術が必要です。



シュウ酸カルシウム結石
 高カルシウム血症、腎のカルシウム再吸収異常等が関係していることがあるほか、結晶成分はエチレングリコール中毒の時にも見られます。


 溶解が困難な石で、食餌中の塩分制限や食餌療法を試してみますが小さくならないことが多いので治療は外科手術となります。



尿酸アンモニウム結石
 代謝異常により、尿中にプリン体という物質が排出されてできる石で、体質、遺伝(ダルメシアン)、肝疾患などで起こります。



 その他にもケイ酸塩結石シスチン結石などの種類があります。
 肝疾患など基礎疾患があるときはその治療をします。食餌療法、内服薬を使用しますが、大きい場合や尿道閉塞のおそれがある時には外科手術が必要です。