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健康な個体では耳の中は汚れはなく、半透明の鼓膜がはっきり見えます。細菌やマラセチア(酵母様真菌)、耳ダニが繁殖すると、炎症が起こり耳の汚れが出ます。耳のたれている犬種や耳の中に多数の毛が生えている個体では耳の中がじめじめし感染を起こしやすくなります。また特定の犬種(スパニエルやシーズー,etc)では耳の中の耳腺が多く、脂っ |
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こいので炎症や感染が起こりやすくなっています。
黒いのはいわゆる耳アカではなく、感染によって出た菌や汚れの固まりです。
まず耳道の視診と耳垢の検査をして、病原体が何かを確認します。耳ダニならその駆除をまずしなければなりません。細菌や真菌の感染による場合は、耳道の洗浄及び抗生物質の点耳を行います。病原体は耳垢に埋もれて存在しており、そのまま薬を入れても薬が菌まで届きません。そのため汚れをある程度洗い流した後に薬を使用します。汚れが出なくなるまで続けなければなりません。途中で止めると残った菌がまた増えてすぐに元通りになってしまいます。
普通の水は耳にはいると中がじめじめして菌が増えやすい環境になるので入れない方がいいですが、洗浄剤は抗菌力があり、菌を押さえ込む作用がありますので耳の中に入れても支障ないものです。抗生剤は病原体の種類により選択します。
治療せずに放置しておくと、慢性の炎症により耳道の肥厚・狭窄が起こり、耳の穴がふさがってしまいます。そうなると耳の洗浄もできなくなり手術以外では治療できなくなってしまいます。また慢性炎症は耳道のポリープや腫瘍を誘発するので、たかが外耳炎と軽視せず、軽度のうちにしっかり治療する必要があります。
家で耳のふき掃除をする人も多いと思いますが、中まで綿棒を入れるのは耳道を傷つける原因となりますので止めた方がいいです。黒い汚れが出て痒そうにしているなら、それは病気であり治療の必要があります。犬の耳道は人と違い横の部分プラス縦の部分があるため、綿棒は奥まで入りませんし曲がり角の部分を傷つけることになります。炎症と感染が起きている場合には耳の中の毛を抜いて通気性よくさせる必要がありますが、何もないときに抜くと余計耳道の表面を傷つけ、逆に炎症の元となることがあります。
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