ドライアイ



 犬ではしばしば眼瞼部分に腫瘍が出来ることがあります。物理的に邪魔になるほか、角膜を刺激したり、悪性のものでは転移を起こす可能性もあります。発生の多い腫瘍はマイボーム腺腫瘍、メラノーマ、パピローマなどですが、それ以外の腫瘍もあります。
 他の部分と違い、眼瞼部分には
皮膚の余りがありません

 小さな腫瘍であれば切除して、眼瞼を縫い合わせる簡単な手術で済みますが、大きくなるほど摘出後の皮膚欠損を埋めるための手技が大変になってきます(単純に縫い合わせると目が開かなくなってしまいます)。そのため、腫瘍が小さいからと行って放置しておくことにはデメリット以外はありません。大きくなるに従って転移や浸潤のリスクが高まり、あまりに大きくなりすぎると手術自体が不可能になることもあります。できるだけ小さいうちに手術で切除しておくことがお勧めされます。
 また、腫瘍の種類と悪性度は見た目では分からず、種類と悪性度によって予後が異なるため、摘出した後に組織検査をしておくことが薦められます。
 完全に摘出し切れていないとまた再発してしまいます。出来るだけ切除範囲を小さくしたいこともあり、完全に摘出し切れているか判断が難しいことがありますので、術後はしばらく抗腫瘍の
サプリメントを使用した方がいいかも知れません。