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犬の発情期の後には黄体期という黄体ホルモンが出る時期があります。妊娠していなくても妊娠期間と同じ期間出て、子宮や乳腺を妊娠しているのと同じ状態にさせるホルモンです。その影響で、中高齢の雌犬では乳腺腫瘍・子宮蓄膿症・偽妊娠など生殖器の病気が多いです。
発情期はホルモン的にもアンバランスな状態ですので、精神的にも不安定な状態になったり食欲が低下したりすることがあります。避妊手術したコはホルモン的には発情間期という発情のない状態が続いているのと同じになります。
手術により性格が変化したりすることはなく、より安定した状態が続くようになります。発情期はフェロモンによって多くの雄犬がよってきますが、手術すればそういうこともなくなり、交配・妊娠を心配しなくてすみます。
昔は避妊手術によって持続的な失禁が起こるようになるといわれていましたが、今はあまり関係が無いのではないかといわれています。ただ、手術すると高齢になってからやや太りやすくなる傾向がありますので、食餌面の管理に気をつける必要があります。
発情期を繰り返す毎に病気になる確率が高くなっていきます。中高齢の犬では病気になって、そのために子宮を摘出しなければならないようになるコが30-40%となります。特に子宮蓄膿症という子宮の中に膿がたまる病気になると、緊急手術しないと死亡してしまう病気もあります。若いうちに手術しておけば、子宮蓄膿症になる危険は0%になりますし、乳腺腫瘍の発生率もぐんと低くなります(1回目の発情前なら0.05%以下、2回目の発情前なら約8%、2回目以後は約26%)。高齢で病気になってからの手術では若くて健康なときの手術に比べ、リスクがそれだけ高いものになります。
その他にも肛門周囲腺腫や一部の皮膚病を予防することができます。より飼育しやすく、また寿命が延びてより健康に過ごせるようになることが期待されますので、繁殖に使わない動物では若いうちに避妊手術を受けておいた方が良いでしょう。
手術の様子は診療日記のコーナーをどうぞ
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