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犬は、頭が良い動物であり、行動を学習していく動物です。
吠え癖が強くて困っているときには、ほとんどの場合、吠えているときに犬にとっての何らかの報酬が与えられており、その行動が強化されています。
そのため、まずは吠えているとき、犬にとって何が報酬になっているかを考える必要があります。
例えば、夜中、犬がワンワンと吠え、うるさいからとゴハンを与えたり、散歩に連れて行ったりしていると、犬は「ワンワンと鳴けば、人間が来てくれて、良いことがある」と学習しているかもしれません。
その結果、犬は「ご褒美をもらうためにもっと鳴こう」と考え、もっと吠えるように、行動が強化されていきます。
吠えているときに、うるさいからといって、散歩に連れて行ったりゴハンを与えたりするのは禁物です。
それは、そういうつもりがなかったとしても、人間がその行動を強化するようにご褒美を与えているということであり、「もっと吠えろ」とトレーニングをしているようなものです。
また、人と犬の関係について考えてみても、犬が吠えて、人間が褒美を与えるということは、犬が「褒美をよこせ」と命令し、その命令に人間が従っているということであり好ましくありません。
吠えれば人間を操ることができると犬が学習すると、犬は、「自分の方がエライ」と勘違いしてしまう可能性もあります。
人に命令しているのでなくても、吠えることによって、犬に報酬が得られているような場合もあります。
例えば、郵便配達の人が門の前に来て、ワンワンと吠えたら去っていくというような状況などにおいては、犬は「怪しいやつを追い払った」と思っている可能性もあります。
犬が、自分が吠えたことによって追い払えたと思っていれば、吠えることのトレーニングが行われているということです。
犬が人間にとって、好ましくない行動をしているときは、まず何が犬にとっての報酬になっているのかを突き止める必要があります。
犬がワンワンと吠えているのなら、ほとんどの場合、犬を吠える行動に駆り立てる、何かが背景にあるはずです。
吠える行動を止めさせるためには、その報酬を突き止め、吠えているときにその報酬が与えられないようにしなくてはいけません。
報酬としては、家族の人が吠えているときにご褒美をあげていることが最も多いので、家族のみんなで気をつけなければいけません。
また、人間に命令しているような場合、自分がエライと勘違いしていることも多いので、リーダーシップの再確認をする必要もあります。
その上で人間の命令に従ったときだけ、従ったご褒美として報酬がもらえるという風に改善する必要があります。
ワンワン要求しているときには、鳴いているからとゴハンを与えるのではなく、吠えているのは無視し、お座りやお手をさせ、一旦鳴き止んでからゴハンを与える必要があります。
人間に従って、ご褒美をもらえたという形になれば、それは人間が主導権を取っているということです。
人間社会の中で飼う以上、犬の順位は人間より下でなければなりません。
吠えさせないためのもうひとつの行動としては、犬に「吠えると嫌なことがある」と学習させることです。
人間が直接怒ったりしても、犬は「構ってもらった」と考える可能性があります。
また、怒ってそれが効いても、「人間に嫌な目にあわされた」と考える可能性があります。
一番良いのは、罰と人間が関わりなく、「吠えたら嫌な目にあった」と天罰が下ったと犬が学習してくれることです。
コインの入った缶を近くに投げつける、近くで隠れていて水鉄砲をうつ、などの方法もありますが、使いやすい方法としては、吠えた瞬間、シトロネルの匂いが鼻先に吹き出たり、ブルブルっと振動する、というような首輪も市販されていますので、使いやすいものを試してみても良いでしょう。
一昔前は、電気ショックが流れるものもありましたが、それは犬に過剰な苦痛を与えますので使わない方が良いです。
人間に不都合な行動を学習している場合、普段から気づかないうちに行動を強化してしまっているということが多いので、家族でよく考えて犬に対する接し方を改善するようにしてください。
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