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副腎皮質というのはステロイドホルモンをつくっている場所であり、副腎皮質機能亢進症は副腎からステロイドが大量に作り出され、体の中で様々な症状を起こす病気です。
大きく2つのタイプに分かれ、脳の下垂体の中に腫
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瘍があって副腎皮質を刺激する命令が異常に出ている場合(約85%)と、副腎皮質自体の腫瘍があります。
中高齢の犬に多い病気で、腹部膨大、多飲多尿、無気力、肝臓腫大、皮膚の脱毛、皮膚の菲薄化、尿路感染、二次性糖尿病、筋力低下、高血圧、うっ血性心不全など様々です。
皮膚の異常から気づくことが多く、毛が薄くなり時に色素沈着します。細菌の二次感染をしやすくなります。通常特に痒みはありません。
診断は血液検査で、副腎皮質ホルモンの産生能力を検査します。
治療は副腎皮質を破壊する薬を飲ませることによります。下垂体に原因があるときの方が反応がよく、副腎皮質自体の腫瘍の時には手術して副腎摘出が必要になることもありますが、こちらのタイプの方が治療が困難です。
副腎皮質を壊す薬を使用するときには、最初の導入期とそれに続く維持期に分かれます。
導入期は平均5-9日間薬を連続で飲ませますが、嘔吐、食欲・元気の不振など変わったことが起こった場合は薬をそこで中断し、血液検査を行います。一番わかりやすい指標は飲水の量で、60ml/kg/日以下になったら導入期は終了です。
副腎皮質は刺激が加わることによりまた過形成を起こしてきますので、導入期の後、1週間に1〜2回の頻度で薬を飲ませながら、治療開始後4週間目及び3-4ヶ月毎に血液検査を行う必要があります。治療は長期間で、多くの場合一生涯となります。
治療中に調子が悪そうに感じたら、薬を中断し、ステロイドの薬を内服させ、診察を受ける必要があります。
治療に使う薬は副腎皮質を破壊する薬であり、破壊しすぎると機能低下症となり、逆の病気になることがあります。定期的なモニター検査をしながら、注意深く治療を続けていく必要があります。皮膚から吸収されるおそれがありますので、薬を取り扱う際には十分注意しないといけません。
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