疥癬ダニ



 カイセンダニという目に見えないぐらい小さなダニが体に寄生して起こる病気で、激烈に痒いのが特徴です。
 体の上でダニはトンネルをほり、その中に潜り込んで、糞や卵を落とします。

それに対し、体がアレルギー反応を起こすのでものすごい痒みが起こります。動物が掻き、皮膚はぼろぼろになり、出血がよく認められます。宿主特異性が強いので、他の種類の動物上で繁殖することはありませんが、ヒトもよく間違って噛まれるので、家族の人が痒くなるのもこの病気の特徴です。
 よく起こる場所は
肘、飛節、腹側胸部、耳介縁で、「ひっかき検査」をしないと見つけることはできません。またステロイドでは痒みは抑えきれないので、他の皮膚病の治療をしていても皮膚の病変も痒みも治まりません。
 治療はダニを殺すための薬を週に1度病変に擦り込むことが中心となります。親ダニは死にますが、残った卵は孵化してきますので、1週間に1度ずつ最低4回治療することが必要です。場合により飲み薬を併用することもあります。
 同じ種の動物には簡単に移るため、接触のあった動物は同時に治療しておいた方がよいでしょう。