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角膜の表面にキズができる病気で、外傷やドライアイ、まつげ・眼瞼の構造上の問題、感染、化学物質、異物、眼の突出した犬種などの原因があります。
眼の傷ついた部分では角膜を溶かす酵素が活性化されることが多く、ほっておくと潰瘍が拡大していって眼が |
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つぶれることもあります。デスメ瘤という袋状の物体が見えているときには眼球破裂の一歩手前です。とても痛いのが特徴で、動物は気にしてこすろうとします。こすると余計傷つき、それで眼に穴があくこともありますので、眼の痛みを和らげる治療と同時に場合によりエリザベスカラーをつけます。
眼の傷の検査で黄色い液は角膜の厚い壁の部分の細胞が染まります。角膜上皮がダメージを受けた部分は黄色く染色されますが、深い傷となり、壁の向こうの一番奥の膜まで潰瘍が進んだ場合には逆に染色されません。このときには破裂寸前ですので要注意です。
小さな潰瘍では潰瘍の治癒を促進し酵素の働きを抑える目薬で治療しますが、傷が深い場合には麻酔をかけて外科的な処置が必要になることもあります。目が縮瞳といって黒目が小さくなっている状態では虹彩のけいれんによりものすごい痛みを起こしますので、アトロピンという薬で痙攣を抑え、痛みを和らげます。痛み止めの薬を内服する場合もあります。線維細胞が入り込まずに角膜の細胞だけで修復した場合は角膜は透明なまま治癒します。
大きな潰瘍では手術によって潰瘍部分を直接縫合したり、しゅん膜やまぶたでふたをして破裂を防止し、治癒を待ちます(人間では眼帯をします)。角膜潰瘍の部位と大きさにより、いろいろな手術の仕方があります。より深い潰瘍では結膜で弁をつくり、角膜の潰瘍部分に縫いつけて、組織の再生を促します。大きな潰瘍では線維細胞が潰瘍部分を埋めることにより治癒しますので、潰瘍の跡には白濁した部分が残ります。また色素が入り込んで黒くなった部分も跡が残ることが多いです。
単純なものであれば再発はありませんが、目の出た犬種や遺伝が関係している場合においては新しい潰瘍が繰り返しできることがありますので注意が必要です。
深い潰瘍ができているときには穴があく心配がありますので決して眼に圧力をかけないでください。目やにが目の回りについているときには、軽くぬぐうだけにしておき、むりにこすって取らないでください。
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