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肝臓に慢性的な炎症がおこり、時折急性となり悪化を繰り返す病気です。犬で多く、ネコでは胆管肝炎の方が多いです。
原因により、
1.家族性慢性肝炎
遺伝的におこるもので、銅の排泄異常から肝細胞内の銅蓄積を起こします。銅は肝臓に障害を起こし、肝炎の原因となります。
好発犬種としては、ベドリントンテリア、コッカスパニエル、ドーベルマン、ウェスティ、スカイテリアなどが知られています。
特異的治療としては銅のキレート剤の内服がありますが、犬種により治療方法と予後は異なります。
2.感染
犬伝染性肝炎、好酸性細胞性肝炎、レプトスピラなどが原因で炎症がおこるものです。
3.薬物誘発性
抗痙攣薬など肝臓に負担をかける薬物によりおこるものです。原因となっている薬剤の中止を考えます。
4.小葉分離性肝炎
若いプードルでの発症が知られていますが原因不明です。門脈圧亢進から腹水や多発性門脈シャントがよく起こります。
5.特発性慢性肝炎
上記の因子を除外していって原因が分からなかったときに疑われます。
症状は肝不全からおこる非特異的なものであり、食欲不振、沈鬱、脱水、多飲・多尿、黄疸、体重減少、嘔吐などです。
確定診断はバイオプシーでしかできません。肝不全の状態では出血傾向になっていることもあるため、注意が必要です。
長期間の炎症により肝組織の構造はダメージを受け、脂肪細胞に置き換わって脂肪肝になったり、線維細胞に置き換わって肝硬変を起こしたりすることもあります。
治療は胆汁のうっ滞がおこっている場合には利胆強肝剤を使用し、感染も考慮して抗生剤の服用も行います。脱水補正及び循環促進のための補液も行います。時により、炎症を抑え、線維化を抑制するためのステロイドもしくは免疫抑制剤も使用します(特に特発性時)。
肝臓の負担を少なくさせるために消化しやすい食餌への変更も効果があります。
慢性経過をたどりながら良くなったり悪くなったりを繰り返すことも多いです。予後は原因により様々です。
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