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犬の肛門の周囲にはいくつかの腫瘍が起こることがあり、代表的なのは以下のものです。
肛門周囲腺腫
主に未去勢の老齢雄犬で起こり、雄性ホルモンに依存性に起こります。肛門周囲の腫瘍の約80%を占めています。小さく堅い境界明瞭な小結節ができます。精巣の腫瘍も併発していることが多く、去勢手術により治療します。手術後はホルモンの影響がなくなるので通常徐々に小さくなっていきます。避妊手術後の雌犬には副腎疾患と関連して起こることがあります。
肛門周囲腺癌
主に老齢の雄犬に起こりますがホルモン反応性でないため、去勢手術しても小さくなりません。周囲組織に広範な浸潤と肥厚をおこし、孤立性・潰瘍性となることが多いです。増殖は比較的ゆっくりとしていますが、骨盤内や腰下のリンパ節をはじめ、肝・肺・腎・脾臓などに転移することが多いです。
肛門嚢のアポクリン腺癌
避妊済みの老齢雌犬の肛門嚢にできる腫瘍で、ホルモン様物質を放出すことにより高カルシウム血症・多飲多尿を起こします。周囲組織や直腸、骨盤内に浸潤していき、肺・肝・脾や腰下リンパ節に転移をおこします。
肛門の扁平上皮癌
通常悪性であり、転移をよくおこし、瘻管状〜潰瘍状の病変を生じます。排便困難となり、疼痛・便の渋り・出血を見ます。予後は悪いことが多いです。
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