マダニ




 マダニは野外に行ったときについてくる寄生虫です。卵と幼ダニ、若ダニ、成ダニの時期に分かれ、卵以外のステージは寄生生活を行います。マダニは草木の表面で動物が通るのを待っており、動物が近づくと体に飛び移ります。幼ダニと若ダニは動物を


吸血するとまたすぐに地面に落ちて、脱皮・成長します。成ダニは体についた後、しばらく体の表面を動き回ってから皮膚が薄くて血を吸いやすい場所を見つけた強力な顎で体に噛みつき、しっかり固定して吸血を行いながら成長していきます。約1週間吸血・成長し地面に落ちて2000-3000個の卵を産卵します。マダニの産卵は一生涯に一度だけです。
 ノミと違い、痒みなどはあまり起こしません。
 たくさん寄生し、吸血による貧血で弱ったり傷口からの細菌が入るなどの他、ダニを介して
バベシア(※)という血液原虫が感染してくることがあり、その場合には命に関わります。
 ついてからしばらくは体表を動き回っていますので、散歩から帰ってきてから体を確認すれば体の表面に付いた虫は見つけることができます。今はしっかり予防できる薬がありますので、野外によく散歩に行くコは夏場はつけてあげた方がいいでしょう。
 スプレータイプは2ヶ月間、スポットタイプは1ヶ月間、首輪タイプは3-4ヶ月間効果があります。どれも効果的ですが、スプレーとスポットのタイプの方が副作用の心配がないのでおすすめです。
 食いついてるのを見つけたら、抜くときに注意して抜いてください。顎はがっちり皮膚に食い込んでいますので、
顎が体に残って、細菌感染を起こすことがあります。ぐるっとダニを裏返しにして抜くようにしましょう。また抜くときに体を押さえると病原菌が皮膚の中に入ることがありますので頭を持って除去するようにしましょう。

バベシア
 血液に寄生する原虫で、増殖するときに赤血球を破壊するほか、赤血球が脾臓で破壊されやすくして
貧血を起こします。慢性経過から急性経過を経て、症状がひどい場合には死亡します。発熱、脾腫、黄疸、食欲・元気低下などの症状を起こします。現時点では特効薬がないため、輸血や点滴、栄養補給などの対症療法が主となります。なんとか一命を取り留めても、症状が再発し、一生涯のおつきあいになることがあります。
 ダニによって媒介されるため、ダニがつかないように気をつけましょう。