マンソン裂頭条虫




 きしめんのような平べったい形をしている寄生虫で、長い個体では体長1mにも達します。犬猫への感染はカエルやヘビを食べることによっておこります。カエルを食べる癖のある犬や、放浪生活を送った猫でよく感染が見られます。カエルやヘビの活動が活発になる春から秋にかけて発生が増えます。
 虫卵から出た幼虫は
ミジンコの体内で成長し(第一宿主)、ついでカエルの体内で成長し、犬猫への摂食を待ちます(第二宿主)。また、カエルがヘビに食べられた場合はそのまま成長を止め、犬猫への摂食を待ちます(待機宿主)。

 数センチ〜数十センチの長さにちぎれて排出されることが多く、ときおり肛門からぶら下がった状態で見つかることもあります。
 少数寄生では無症状のこともありますが、症状としておこるのは
下痢、粘液便、血便などです。
 診断は
虫卵の検出により行います。犬猫に感染が起こってから虫卵排出がおこるまでの期間は7〜10日とされています。
 治療は駆虫薬を飲ませますが、
落ちにくいのが特徴で、瓜実条虫よりも高用量(通常6倍量)の投薬量を用いますが、それでも100%ではありませんので、再検便をし、必要に応じて再駆虫を行います。
 
 宿主を最低2つ必要とするため、犬猫から人への直接の感染はありませんが、
カエルやヘビを生で食べると感染する危険性があります。