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心臓は全身に血液を送り出すポンプの役目をしています。大きく右心系(肺に血液を送る)と左心系(全身に血液を送る)に分かれ、それらはそれぞれ心房と心室に分かれます。健康な動物では心室が収縮したとき、心房との間にある弁は閉じ、全身(もしくは肺)へと一方方向にだけ送られます。僧帽弁というのは左心系の心房と心室の間にある弁です。 |
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この弁が悪くなると、心室が収縮したときに全身に送られるべき血液の一部が心房側に送られることになります(逆流)。すると、
血圧の低下 →全身機能の低下
心房の過負荷→肺水腫
がおきます。初期には逆流による心雑音だけがきかれます。 |
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血圧低下に対しては血液量を上げる、心臓に無理をさせるといったことで症状がでないようにするため、何ヶ月・何年もの間まるで病気など無いかのように見えます。でも、心臓に無理をさせているので、確実に心臓は弱ってきます。そし |
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て、心臓が耐えきれなくなったときにはじめて症状がでます。
症状は運動能低下、徐々にやせてくる、咳をするなどです。心房がいっぱいいっぱいになると肺に水がたまり始めます。心臓は低いところから高いところへ水を送るポンプのようなものですが、機能が低下すると低いところが水浸しになるように肺の中が水浸しになり、「陸の上での溺死」と表現されるとおりとても苦しい状態になります。
咳をするようになってしまうと、その子は一生涯薬を飲まないといけないようになってしまいます。ただし、薬を飲んで咳が治まっても心臓が良くなったわけではなく、「悪いなりに症状がでていない」状態になっているというだけです。薬を止めれば症状がでてきますし、心臓が悪くなるスピードも早くなります。
診断を受けて最初に気をつけるのは食塩制限、運動制限、ACE阻害薬です。弁が悪くなると体は血液量を増やし、心臓に無理をさせようとするのですが、それは寿命を削ってしまう諸刃の刃です。塩分をとりすぎると血液量が増え、心臓への負担が増えます。心臓が悪いときは普通の状態でもアップアップなのですが、そこに運動の負担が加わると、対応できずにへたり込んだり失神したりします。また不整脈も起こりやすい状態なので、突然死ということもあります。無理な運動は止めましょう。
ACE阻害薬は心臓病の時にその子の寿命を延ばすことのできる薬です。その効能は血液量の増加や心臓の肥大・変性を防いで心臓を楽にしその寿命を延ばすというものです。腎不全の子への使用は限られるのですが、症状がでるのを遅らせもしくは和らげるために使用することをおすすめします。
心臓病は急に症状が変動することのある病気です。興奮や運動によって急に容態が変化することもありますし、徐々に進行していく病気ですので症状がいまないからと言って無理はさせないでください。
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