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腸のリンパ管は腸から吸収した脂肪酸をタンパク質と結合させて体に取り込むための管で、腸の血管と平行して走り、胸管を経て大静脈に流れ込みます。
リンパ管・胸管の閉塞・奇形、うっ血性心不全などがあるとリンパ管の流れが悪くなり、リンパ管が破裂したりリンパ液が漏出したりして、脂肪酸・タンパク質の腸管への喪失が起こります。
それにより、慢性下痢、体重減少、低タンパク血症・浮腫、低コレステロール血症、低カルシウム血症、リンパ球減少などが見られます。
診断は寄生虫などの他の病気を除外すると共に血液検査、場合によりレントゲン検査・超音波検査を行います。
開腹して腸管を見ると、脂肪を含んで白濁・拡張したリンパ管が確認されます。リンパ管の拡張により炎症性腸疾患が二次的に引き起こされることもあります。
治療は腸からのタンパク質喪失をくい止めることを目標とし、食餌療法と内服療法を行います。
高脂肪食はリンパ管への負担を増しますので、低脂肪・良質のタンパク質の食餌を与えます。低コレステロール血症に対しては中鎖脂肪酸で吸収時に負担とならないMCTオイルを使用します。
補助として炎症性変化を抑える抗炎症薬と、細菌増殖を抑える抗生剤を併用します。
うっ血性心不全が見られるときにはそちらの治療も必要です。 |
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