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自己免疫によって、関節や関節周囲の構造がダメージを受ける病気です。
関節に感染などの免疫誘発物質が入り込んだとしても、通常は体はそれを排除してしまい、炎症は早期に終わります。
何らかの原因で抗原が関節から排除しきれず炎症が慢性化すると、免疫異常の状態となり、自分の組織に対しても免疫が働くようになることがあります。
リウマチ様関節炎は、自分の体に対する攻撃の結果、関節構造が破壊されていく病気です。
抗原と抗体が結合した抗原抗体複合物が関節内に沈着し、それによって障害が起こるタイプのアレルギーが主となります。
関節炎の分類は、非感染性のびらん性関節炎と呼ばれる種類になります。リウマチ様関節炎では関節軟骨の深い部分まで炎症が進行するため、関節の滑膜がぼろぼろになり、表面がびらん状になります。
症状は関節炎による全身硬直、休息時に悪化し軽い運動後に改善される関節の硬直、関節周囲の腫脹、全身性筋萎縮の他、炎症による発熱、沈鬱、食欲不振などが見られます。筋肉や関節を触診したときの痛みもしばしば見られます。靱帯や関節包が破壊されると、関節が不安定になります。
併発疾患として、腎臓のアミロイドーシスやリンパ節障害、肺炎などが見られることもあります。
レントゲン像では、関節面のびらんが見られます(初期では見られないこともあります)。表面のびらんは軟骨下骨まで破壊されていることを示しています。
その他、関節周囲の腫脹・石灰化、滑液滲出の増加、骨膜炎、関節腔の増加/減少などが見られます。進行すると、関節構造の破壊像が見られます。
血液検査では、白血球の増加がよく見られます。
また、リウマチ様関節炎では、IgG抗体を主とするリウマチ因子がしばしば確認されます(50〜70%)。
診断基準として用いられるのは以下の基準です。
1 |
骨崩壊などのX線像 |
2 |
リウマチ因子陽性 |
3 |
滑膜の組織学的変化 |
4 |
休息後の硬直 |
5 |
1カ所以上の関節に運動時の疼痛または圧痛 |
6 |
1カ所以上の関節の腫脹 |
7 |
3か月以内に別の関節の腫脹 |
8 |
左右対称性関節腫脹 |
9 |
滑液異常 |
10 |
皮下結節(犬ではまれ) |
11 |
皮下結節の特徴的組織学的変化 |
1〜3のうち2つ以上、合計7つ以上の項目に当てはまれば、リウマチ様関節炎との診断となります。
鑑別診断としては、特発性多発性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、多発性関節炎、多発性筋炎、細菌性心内膜炎、細菌性関節炎などがあります。
治療として、滑膜炎を抑えるためのステロイドや非ステロイド鎮痛薬などを用います。進行している場には、外科的手術を考慮することもあります。
腎不全の徴候がでている場合は好ましくありません。 |
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