細菌性皮膚炎




 皮膚に細菌が感染・増殖し、それに炎症反応が起きた状態で、皮膚の発赤、脱毛、痒みを起こす病気です。起こる場所としては脇の下やおなか、そけい部などじめじめした場所がなることが多いです。特に子犬では膿痂疹

といってそけい部からおなかにかけてぷつぷつできることが多いです。成長すればおきにくくはなりますが、子犬の時にはいったん落ち着いてもまたしばらくして別にできてくることがしばしばあります。 
 梅雨から夏場は特にじめじめして皮膚病がおきやすくなります。
 皮膚の浅い所までの感染で治まるものと深いところまで菌が侵入するものとがあり、深いところまで感染すると、薬を長期間(3週間以上)飲まないといけないことがあります。病変が広範囲になっているものでは、シャンプー療法の併用がおすすめされます。
 治療は抗生剤の飲用が中心となりますが、痒みを押さえるために低用量のステロイドを併用しますので、その副作用で水を普段より飲むようになりますので、水は自由に飲ませてあげていただいて結構です。塗り薬はなめとってしまうことが多いので、状況に応じて使用します。
 なめることは皮膚をただれさせ、病気をひどくさせますので、なめてしょうがないときにはエリザベスカラーをつける必要があります。
 鑑別診断としては、疥癬やアカラスなどの寄生虫、真菌症、アレルギー疾患などがあります。見た目では区別が付きにくいものも多いですので、治療していても悪くなったり、家族や他の動物も痒くなってきたり、変わったことがありましたらご相談下さい。
 人も含め、他の動物に移ることは通常ありません。