食物アレルギー





 食餌の成分がアレルゲンとなって、体の中で炎症反応が起こり、全身の皮膚の痒みを起こす病気です。
 体の痒みを起こす病気は他にもいくつかあり、鑑別診断は
ノミやアカラスなどの寄生虫、皮膚の細菌感染症、真菌症、脂っこい犬種の脂漏症、アトピーや接触アレルギーなどのアレルギー疾患、etcです。



 皮膚の痒み以外に、嘔吐や下痢などの消化器症状が見られることもあります。

 アトピーでは1歳以下での発症はまれですが、食物アレルギーでは
1才未満の若い個体でも発症が見られます。

アトピーの部位 食物アレルギーの部位



 特にアレルゲンとなりやすいのは、
牛乳・乳製・小麦・大豆などです。

 診断は、まず
感染症などの鑑別疾患を除外することから始めます。
 他の鑑別診断の中でも特に、アトピーはしばしば見分けがつきにくい病気です。

 治療と診断は、
アレルゲン除去食を用いて行います。
 食物アレルギーであれば、食餌からアレルゲンが入ってこなくなればアレルギー反応は起こらなくなります。
 そのため、
普段口にしないものを蛋白源とした食餌、あるいはアレルゲンとならない分子量まで小さくされた低分子プロテイン食最低6週間食べさせます。試験時期は、それ以外の食餌は食べさせてはいけません。ステロイドも、極力避け、よほど痒いときに少量のみ使用するようにします。
 アレルゲン除去食に変更して、皮膚の症状が落ち着いているのであれば、そのまま続けるか、一度もとの食餌に戻してみて、症状が再発するかを見てみます。
 
症状が再発すれば、食物アレルギーは確定です。