歯垢と歯石




 食餌をした後歯の表面で細菌が繁殖すると、タンパク質と一緒に歯垢を形成します。さらにそこにカルシウムが入り込むと石のような歯石となります。歯垢/歯石の中にはたくさんの細菌がいるので、歯垢/歯石がたくさんついていると強い口臭がします。歯垢の段

階では布などでこすることにより取る事ができますが、歯石になると多少こすったくらいではとれないようになってしまいます。
 缶フードを食べているコの方が歯石はつきやすいですが、ドライを食べているコでもほっておけば年とともについていきます。

 たくさん歯石がつくと、歯周ポケットを拡げ、歯肉を刺激して
歯周炎を引き起こします。歯の早期喪失の一番の原因は歯石からの歯周炎です。
 たくさん歯垢や歯石がついているということはそれだけ細菌がたくさんついているということでもあり(歯垢の構成成分の約70%が細菌の菌体です)、人間にとってもあまり気持ちのいいことではありません。また、歯根部分で繁殖した
細菌は血流に乗って全身を巡り、心臓や腎臓、肝臓といった全身の臓器で病気を起こすもととなることがあります。また歯根部分でできた膿によりほっぺたのところに穴があき、排膿を起こす歯根尖炎という病気の原因にもなります。

 定期的に歯を布や歯ブラシ(
犬用歯ブラシ&歯磨き粉もあります)で磨いてあげることが一番の予防ですが、歯石がついてしまった場合には麻酔をかけて超音波スケーラーで歯石の除去をしてあげることになります。歯根部分まで歯石が到達して悪影響を及ぼしているときには抜歯が必要となってしまいます。
 ダメージを受けた歯根部分は元通りにはなりませんので、こまめなチェックと早めの手当が重要となります。飼い主の気遣いにより予防できる病気ですので注意しましょう。