子宮蓄膿症




 子宮の内部で細菌が増殖し、膿がたまって菌の毒素が体に入る病気で放置すれば多臓器不全や敗血症を起こして死亡します。
 犬の発情期の後には黄体期という
黄体ホルモンが出る時期があります。妊娠していなくても妊娠期間と同


じ期間出て、子宮や乳腺を妊娠しているのと同じ状態にさせるホルモンです。このホルモンの影響で子宮の内膜は増殖し、子宮の感染抵抗力が低下します。細菌が入り込んで増殖すると子宮の中は膿でいっぱいになります。
 体内に吸収された菌毒素により、腎臓・肝臓など多臓器不全がおきます。緊急の手術をして子宮を摘出しないと死亡します。すでに毒素で臓器が回復不能なダメージを受けている場合には手術をしても助からない場合もあるため、早期の診断と治療が重要です。
 どうしてもまた出産させたいという場合には排膿を促し抗生剤を内服する治療もありますが、死亡率も高く再発も多いため手術がおすすめされます。
 犬は多産型の動物であるため生殖器の病気が多いです。発情期を繰り返す毎に病気になるリスクが高くなっていきます。繁殖に使わない動物では若いうちに避妊手術を受けておいた方が良いでしょう。