拡張型心筋症





 心臓の筋肉が変性して薄くなってしまう病気です。内腔が拡張するとともに、心臓の収縮する能力が低下し、体が必要とするだけの血液を送り出せなくなります。

 全身に血液を送り出せないと、うっ血性心不全となり、
肺水腫や腹水、胸水を起こします。弁の閉鎖不全から心雑音が見られることも多いです。
 その他、
元気・食欲・運動能力の低下や呼吸困難、腹囲膨満を起こします。

 ドーベルマン、ボクサー、ゴールデンレトリーバー、コッカスパニエル、スプリンガースパニエルに多いと言われています。

 レントゲンや超音波エコーで診断をします。

 通常完治は無いので一生のおつきあいになります。心不全が起きているときには予後は難しいものとなります。心臓の収縮力を高めるジギタリスととともに心筋変性を予防し血管拡張作用を持つACE阻害薬を使います。肺水腫が起きているときには利尿薬を使います。

 食餌は塩分の多い物は避け、できるなら処方食でコントロールします。
 心房細動などの不整脈がよく起こり、突然死の危険性が高い病気でもあります。しっかり薬を飲ませ、食餌に気を使う必要があります。