膵外分泌機能不全




 膵臓にはインスリンなどのホルモンを血液中に放出する役割と、消化酵素を消化管内に放出する役割がありますが、この病気は消化酵素が出なくなって栄養の消化・吸収能力が通常よりも低下してしまう状態です。
 原因不明で起こる場合が多いですが、遺伝や慢性膵炎が関係している場合もあります。
 食欲は普通もしくは増進しており、
食べるのにやせるというのが主症状です。下痢がよく見られ、放屁も多いです。断食や低脂肪食で下痢は軽減されることが多いです。小腸内の細菌の過剰増殖、糖尿病の併発が見られることもあります。
 消化不良と関係して、便中には脂肪やでんぷん、筋肉繊維などが見られることが多いです。便は通常
大量の軟便で、臭いが強いこともあります。
 糖尿病、肝/腎不全、寄生虫、心臓病などの他の病気を否定して、血液検査で膵臓のトリプシン合成を測定することにより診断します。
 治療は対症療法が主となります。膵臓自体は通常元に戻りませんので、一生のおつきあいになります。膵臓酵素を食餌に補給することで症状をコントロールできることが多いです。
消化性が高く、低繊維の食餌を与えた方がいいでしょう。細菌の過剰増殖は吸収不良と下痢を引き起こしますので抗生物質を併用します。