蛋白喪失性腸症


 血液中のタンパク質が低下する原因としては、
1.
産生の低下栄養不良・慢性肝疾患
2.
喪失量の増加出血、胃腸疾患、腎疾患
があります。蛋白喪失性腸症は胃腸疾患時の「
リンパ管障害/粘膜潰瘍/炎症」によって腸粘膜からの喪失量が増加し、低タンパク血症を引き起こすものです。
その他の症状としては体重減少、下痢〜軟便、浮腫、腹水、創傷治癒遅延などが見られます。
 血液中のタンパク質は浸透圧・物質運搬を担う
アルブミンと免疫を担当するグロブリンに分けられます。腎糸球体疾患からの蛋白喪失の時にはアルブミンの喪失が主ですが、腸疾患の場合にはアルブミン・グロブリンの全分画の喪失が特徴です。

 一口に蛋白喪失性腸症といっても様々で、炎症性腸疾患(
リンパ球性-形質細胞性腸炎、好酸球性腸炎)、リンパ管拡張症リンパ腫うっ血性心不全などがあります。
 診断は除外診断によって行っていきます。まず検便により寄生虫の有無を調べます。栄養吸収不良症候群や心疾患、異物、腫瘤などが無いかを考慮しながら、血液検査、レントゲンなどを行います。
 以上で分からない場合には内視鏡、バイオプシーを行います。
 治療法は病気により異なりますが、
一時的な腸の炎症が関係している場合もありますので、状態が落ち着いているときには数日炎症を抑える処置を続けて血液検査を再度行い反応を調べます。