てんかん




 脳の一部あるいは全体が異常な興奮を起こし、再発性の発作をおこす病気です。犬の80%、猫の50%が特発性(原因不明)で、その他構造性・代謝性の原因が知られています。症状は以下のステージに分かれます。

1.
前兆:行動の変化
2.
発作:通常数分以内。意識・筋肉運動・感覚・行動の異常
3.
発作後期:神経細胞の回復期。通常30分以内、運動・感覚の異常続く。

 痙攣発作を起こす病気としては、てんかん以外には
低血糖、肝・腎機能不全、脳の腫瘍・感染症、中毒などがあります。除外検査として血液検査を行い引っかかるものがないかどうかをまず調べます。

 症状は脳のどの部分で、あるいはどれくらいの広さで興奮が起こるかによります。部分発作というのは脳の一部が興奮する状態ですが、発作を繰り返すにつれ脳の興奮する部位が拡がっていき、発作の間隔が短くなっていきます。全般性発作は脳の全体で興奮が起きる状態です。
月に2回以上の頻度になってきたら治療を開始した方がいいでしょう。
 意識が消失し、全身の筋肉がガクガクと痙攣する状態はいわゆる大発作といわれるもので、長い時間続く(てんかん重責)と低
酸素・低血糖・乳酸アシドーシス・低体温・脳浮腫により脳が傷害されるため、発作を抑えるための緊急の治療が必要です。
 てんかんがおきているときに口に手を近づけると、大けがをする場合があります。また口に物を挟むと噛んで砕けたものが肺に入る事がありますので注意してください。
 体質を持つコにおいては長期間の治療が必要です。発作を起こすことによって、より発作を起こしやすくなるので、脳の発作閾値を上げるための内服薬を使うことになります。持続型の鎮静薬の一種になりますので、血中濃度をモニターしながら月に1回以下の頻度を目指して薬を続けていきます。
 予後は個体差がありますので予想が難しいのですが、発作が出なければ健康に生活できます。