前庭症状



 前庭とは、内耳にある、平衡感覚を司る部分です。三半規管で感知された情報は、内耳神経を伝って脳幹に伝わり、体のバランスを取っています。
 前庭症状とは、種々の原因により前庭での

感覚もしくは脳への伝達が障害を受けることによって起こる症状です。
 発症した動物は平衡感覚を失って体のバランスをとれないようになり、よろよろし、
転倒したり、斜頚・斜視、眼振をおこします。

末梢性(内耳前庭〜内耳神経):
中耳炎・内耳炎、外傷、老齢性、特発性、一部の薬物、甲状腺機能低下症、腫瘍
中枢性(脳幹):
脳の炎症、ジステンパー・トキソプラズマ・クリプトコッカス感染、腫瘍、外傷、チアミン欠乏症

 単純なものでは時間とともに治まることも多いのですが、急性炎症時には、治療として抗生剤とステロイド剤を内服します。耳の中の炎症があるときにはそちらの治療も必要です。
 治まらなかったり悪化するときには脳の腫瘍も疑い、MRIやCT検査が適応となることもあります。