リンパ腫



 リンパ腫とは、体の中の免疫を担当する白血球の中の、リンパ球という細胞が腫瘍になってしまう、血液の腫瘍の病気です。
 
 症状は体重減少、食欲不振などの全身状態の悪化の他、末梢リンパ節の腫大や胸水による呼吸困難などが見られる事もあります。

 リンパ腫がどこで発生するかによって、以下の主なタイプに分かれます。
多中心型:体中のリンパ節が腫れ、肝臓、脾臓、骨髄に浸潤して行く
縦隔型 :胸の中に腫瘍ができ、胸水がたまって呼吸困難となる
消化器型:腸に腫瘍ができ、食欲が低下し体重減少が進行する
 その他、神経や腎臓、皮膚などに腫瘍が発生する場合もあります。

 リンパ節が腫れている時は、まず針を刺して細胞を取り、リンパ節の中の異常なリンパ球の増加がないか調べます。その他、血液検査も行い、白血球数(とくにリンパ球)の増加を調べます。
 呼吸困難がある時は、レントゲンを撮り、胸水などがないかも調べます。

 治療は抗がん剤を用いた積極的なものと、ステロイドの飲み薬だけの姑息的なものがあります。
 抗がん剤は、プロトコールにしたがって、定期的に血管から静脈注射で投与して行きますが、費用とフェレットの性格(処置時にあばれる)がネックとなります。抗がん剤は血管からもれると重大な副作用が生じるのですが、フェレットは点滴中にもがくことも多いため、場合により麻酔を併用する必要があります。
 ステロイドだけの場合は、処置時に伴うリスクは低く、費用も安価ですが、延命効果は抗がん剤よりも低いです。

 血液のがんですので、通常外科手術は適応とはならないことが多いです。