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細菌感染によって膿瘍を形成し、皮下に膿がたまる病気です。
ウサギの膿は犬猫の膿と違い、線維素が豊富なため、チーズのように硬いものが多く、排膿が困難です。犬猫の膿であれば、普通に切開して中を洗浄すれば、予後が良いことが多いのですが、ウサギの膿瘍は排膿や洗浄が困難で、厚い皮膜の中にも細菌が入り込んでいるため、細菌の根絶がたやすくありません。
原因は外傷などのこともありますが、顎の周辺に出来る場合、歯根部から細菌が入り込んでできた場合も多く、その場合は、完治がより困難となります。
放置された場合、膿瘍が大きくなって破裂したり、細菌が体に入り込んで腎臓や心臓に悪影響を及ぼしたりする可能性もあります。
治療は手術、もしくは内服によって行います。
大きい場合は、膿瘍を手術によって除去します。被膜にも細菌が入り込んでいるため、被膜ごと取り切れれば一番好ましいのですが、状況によっては、切開と排膿しか行えず、被膜を取りきれない可能性もあります。
外科手術をすれば細菌数を減らすことができますが、いずれにせよ長期間の抗生剤が必要となります。生半可な抗生物質では抑えることができませんので、強力な抗生剤(クラビット)と、線維素を分解して膿瘍を柔らかくするための薬(リゾチーム)を、長期間内服します。
偶発的な外傷などが原因で、カプセルごと膿瘍を摘出できた場合は良い予後が期待できるのですが、歯根部の感染と関係していたり、根こそぎの切除を行えなかった場合などは、完治が大変なものとなります。
いずれにしろすぐに治る病気ではないため、腰を据えて、じっくりと治療して行くことが必要となります。
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