鳥の羽根切り


 家で飼う鳥の羽根を切るかどうかは悩むところではあります。あまり飛ばれるのは困るのですが、かといって、羽根を切るというのもかわいそうな気がする、という飼い主さんも多いからです。

 とはいえ、家の中を飛び回ると、天ぷら油に飛び込んだり、ドアに挟まれたり、思わぬ事故や危険に遭遇する可能性も高くなります。そのため、あまり激しく飛び回る場合には、
鳥自身へのリスクを低くするためにも、羽根切りをしておいた方が良いかもしれません。

 羽根きりにおいて重要なポイントは、
羽根切りの目的は「飛翔能力を低下させる」ことであり、「まったく飛べなくする」ということではないということです。
 本によってやり方は異なるのですが、羽根をばっさり切ってしまう方法では、飛べなくなって落下し、胸をうってけがをしたり、新しく生えて来る羽根が折れて思わぬ出血を引き起こしたりしてしまいます。

 そのため、当院では、「
羽軸に沿ってその下側をそぐ」方法を推奨しています。ばっさり切ると、外見上も変化が大きく、飛翔能力が激減してしまうのですが、そぐ方法であれば、外見上の変化も少なく、全く飛べなくなるわけではなく、「羽ばたきながら緩やかに落ちて行く」という状態になるため、事故やけがのリスクも少なくなります。

 以下に、その方法を紹介します。

鳥を保定します。
効き手で ハサミを持つため、鳥を持つのは利き手の逆の方です。



羽軸に沿って、その下側をそいで行きます。
羽軸を傷つけると、後々、そこから折れてしまう可能性があるため、羽軸は傷つけないように気をつけます。
飛翔能力をどれだけ低下させるかによって、切る枚数を考慮します。
だいたい3〜5枚くらいです。
鳥を持ち替えます。
こちらの羽根も同様にそいで行きます。
そぎ終わったら終了です。
鳥にストレスをかけすぎないよう、すばやく終わらせる方が良いです。