膨羽・削痩と看護




 鳥は調子が悪くても最後の方まで弱った素振りを見せません。そのため、鳥が弱ったように見えるときにはかなり具合が悪いときです。犬猫と比べても症状の現れ方がわかりにくい動物ですが、膨羽や削痩といった症状は比較的わかりやすいです。



膨羽:健康な鳥は全身の羽はすらっとし、眼は生き生きしていますが、調子が悪いと羽根をふくらませて目を閉じていることが多くなります。このときは鳥にとって寒い状態です。まず普段より狭いかごに入れ、膨羽が治まる程度まで保温してやる必要があ

ります。目安は28-30℃です。一番良いのはひよこ電球などでぽかぽか暖めることです。ストーブは脱水を起こす危険がありますし、暑いところから移動できないようになっていると、温度が上がりすぎる心配があります。また湿気がこもる状態も要注意です。ひよこ電球を下げて、鳥が暑いところと涼しいところを移動できるようにしてあげることがおすすめです。

削痩:健康な鳥は胸に適度に筋肉が付き、胸骨はごりごり触れません。胸骨が触れるのは痩せている証拠です。病気によって痩せることもありますが、不適切な食餌から痩せることが多いようです。から付きフードと野


菜、カットルボーンが基本です。ムキアワはカラと一緒に栄養が落ちていますので、カラ付きの方が好ましいです。まず食餌の見直しをして、呼吸器病や消化器疾患、寄生虫などの病気の除外をすることが必要です。差し餌が終了していない幼鳥では栄養価の高い正しい差し餌を与える必要があります。

 弱っているときの看護は小さめのかごに移し、保温をし、栄養をしっかりとらせることが基本となります。弱っているときには
マスカゴと言われるような小さなカゴの方が体力を消耗しにくく、給餌もしやすく、本人も落ち着きます。鳥は小さい体をしている分もともとの体力が少ない動物ですので注意しましょう。



アワ玉の作り方ムキアワ300gをフライパンで煎り、それにカルシウム0.3g、生卵黄1個を加え、熱いうちに手早く混ぜる。乾燥させ、缶に入れて保存する。約1ヶ月使用可能。与えるときはそのつどお湯に浸し(約40℃)、ビタミン剤1滴と小松菜などの絞り汁適量を混ぜます。

 今は幼鳥用の総合栄養フードもあります。