鳥の飼い方




フード
 鳥の餌は
カラ付き混合フードと野菜、カットルボーン(もしくはカキ殻)が基本になります。ムキエサは皮とともにビタミンやミネラルとともに栄養素が落ちていることが多く、ムキ餌を食べていて、痩せているのなら、食事の見直しをした方がいいでしょう。
 セキセイと文鳥では約
45日で挿し餌は終了です。それまではムキアワにカルシウム、ビタミン、卵黄を加えたエサが必要です。
 穀物類は人間で言えばゴハンのようなものであり、
炭水化物がメインでカロチン(ビタミンAのもと)やカルシウムはほとんど入っていません。カルシウム補給のため、カットルボーンやカキ殻を入れてあげましょう。ちなみに本来はカキ殻は白色であり、緑色のものは着色料で色の付けてあるものです。
 塩土はミネラルの補給(おもにナトリウム)の目的で与えますが、あげすぎは塩分のとりすぎにつながりますので、
1週間に1-2回入れる程度で充分です。
 野菜は、
カブ、小松菜、大根の菜、ほうれん草あたりがベストです。キャベツやレタス、きゅうりは栄養価が低いので、鳥用の野菜には向いていません。
 ひまわりや麻の実は大型のインコ以外では必要なく、肥満の原因になりますので与えない方がいいでしょう。
 人の食餌は与えないでください。特にクッキーやパンを頻回与えると
そのう炎・口内炎・消化管真菌症などの病気を起こす元となります。

ひえ あわ きび ひまわり あさの実 小松菜 ほうれん草 チンゲンサイ かぶの葉 キャベツ レタス
エネルギー (kcal) 367 364 356 611 463 14 20 9 29 23 17
水分 (g) 13.1 12.5 14 2.6 5.9 94.1 92.4 96 87.9 92.7 94.5
たんぱく質 (g) 9.7 10.5 10.6 20.1 29.5 1.5 2.2 0.6 2.3 1.3 1.2
脂質 (g) 3.7 2.7 1.7 56.3 27.9 0.2 0.4 0.1 0.2 0.2 0.2
炭水化物 (g) 72.4 73.1 73.1 17.2 31.3 2.4 3.1 2 6 5.2 3.4
灰分 (g) 1.1 1.2 0.6 3.8 5.4 1.3 1.7 0.8 3.6 0.5 0.6
カロチン(mcg) 0 0 0 9 20 3100 4200 2000 1200 50 510
カルシウム(mg) 7 14 9 81 130 170 49 100 240 43 29
鉄(mg) 1.6 4.8 2.1 3.6 13.1 2.8 2 1.1 2.6 0.3 0.5
いずれも100g中のデータです  食品成分データベース調べ
かぶは塩漬けのデータです。カナリーシードはのってなかったです・・
 
換羽と水浴び
 換羽の時期はフィンチ類では夏の前後3ヶ月です。インコは年を通じ断続的に抜け替わります。カナリアにカナリアクッキー(羽色の色つけ)を与えるときは
換羽期の前後の約3ヶ月だけにしましょう。ただし、栄養的にはあげる必要のないものです。皮膚まで赤くなっている場合にはあげすぎであり、肝障害を起こす可能性がありますのであげすぎないようにしましょう。セキセイには必要ありません。
 フィンチ類は水浴びが大好きですが、セキセイインコはもともとあまり水浴びをしないので無理にさせる必要はありません。また、換羽中の鳥は水浴びをさせない方がいいです。また
お湯での水浴びは羽毛の脂を取ってしまうので厳禁です。
 
筆毛は新しく生えてきた毛で鞘のようなものに入っており、正常な抜け替わり途中の毛です。

生活の注意点
 小鳥は暑すぎる環境や寒すぎる環境に弱いです。急激な温度変化やすきま風は容易に体力を奪い、落鳥の原因になりますので注意しましょう。特に夏場は閉じこもった部屋においておくと、簡単に
熱中症を起こします。
 鳥を飛ばすときには部屋と時間を決めて飛ばすようにしましょう。特にお子さんがいる家庭では踏まれることが多く、鳥にとっては命取りになります。その他、ドアに挟まれた、掃除機や扇風機に吸い込まれた、天ぷら油に落ちた.etcなど家庭の中にはたくさんの危険があります。部屋で放し飼いにすると危険が多く、またわがままになったり衛生的にも好ましくありませんので止めましょう。

不要な産卵をさせない
 
巣は1年中入れておいてはいけません。巣はあくまでも巣引きの時だけ入れるものです。巣自体が刺激となるので、産卵を繰り返し、卵詰まりや卵管炎など生殖器・ホルモン的な病気を起こしやすくなります。また体力を消耗するのでやせたり寿命が短くなります。その他敷かれたティッシュや暗がりに潜り込んだり、背中をさすったりすることも交尾刺激となりますので注意しましょう。
 また日照時間が長いことも発情刺激となりますので夜はなるべく光から遠ざけ、規則正しい生活をさせましょう。
 鳥によってはカゴ内のおもちゃや鏡に映った自分に発情してしまうこともあります。
 雄が発情した場合には止まり木に総排泄孔をこすりつけて射精を繰り返し出血したり、エサをもどして栄養不良になったり吐いたものを摂食してそのう炎を起こすこともあります。

カゴ内の掃除
 エサは毎日新鮮なものを与えましょう。上からつぎ足すのはよくありません。カラ付きフードはカラが残るので、残っているように見えてもカラばかりになっていることがあります。毎日取り替えるのがベストですが、足すときには息を吹いてカラを飛ばしてから新しいエサを入れましょう。混合餌を与えていてもおいしいものから(特にカナリーシード)食べていくので注意が必要です。
 水入れや床材は汚れないように気をつけて毎日掃除するようにしましょう。
 止まり木は適度な太さでないとつかまりにくいです。ちょうどあった太さ(止まり木の
2/3をつかんでいる状態)のものを入れましょう。

翼を切らない
 小型-中型インコで翼を切ると、飛ぼうとして下に落ち、翼や足を痛める原因になりますので切らない方がいいです。
 大型インコでは切る場合もありますが、
初列風切羽の6-8枚だけを羽軸の下部だけを切るようにします。羽軸を切断して切るとおびただしい出血を起こすことがあるので好ましくありません。

その他
 鳥に軟膏を付けると余計にその部分を気にして、自分で羽を抜いたり皮膚を咬んで傷つけたりとなり事が多いです。
塗り薬を塗ってはいけません
 無理に人間の言葉を教え込もうとすると、鳥はストレスを受け時にノイローゼとなることがあります。鳥と一緒に楽しむという姿勢で気長に教え
ましょう。
 鳥に構い過ぎると、鳥はストレスを受けやすいです。過保護にならないように注意しましょう。
 セキセイでは一日の食餌は平均5-10gのフードを食べ、1日に20-30個の便を出します。便の量が少なくなっていたら食欲低下の徴候です。  
 セキセイではよくカップル同士でキスをします。飼い主にもキスの行動を取ってくる事がありますが、衛生面の問題からやめておいた方がいいです。人間の口の中の細菌がインコに入ってそのう炎を起こす可能性もありますし、鳥から病気をもらってしまう可能性も否定できません。