オカメインコの開口不全症候群




 開口不全症候群は、「ロックジョー」とも呼ばれる病気で、オカメインコのヒナに細菌感染が起こり、呼吸器感染から開口不全へと進行する病気です。

 オカメインコのヒナ(2-10週齢)にボルデテラ菌などの細菌が感染すると、副鼻腔炎となり初期には呼吸器症状が現れます。続いて炎症が顎〜頬に進行すると、顎の関節構造がダメージを受けます。
 関節構造が破壊され、線維化が起こってしまうと、関節は固定されて動かなくなってしまい、「ロックジョー」と言われる顎が動かない状態になってしまいます。

 細菌感染には体側の要因も大きいとされており、体力不足や移動や環境などのストレスによる免疫低下、先の尖ったシリンジでの給餌、ビタミンA欠乏症などの栄養不足、などが発症の要因と考えられています。

 感染の初期には、くしゃみ、鼻汁、目やになど呼吸器感染症の症状を示します。進行すると、顔・眼瞼の腫れ、目の突出、嘴の血行不良などが見られます。
 さらに進行して関節にまで炎症が及ぶと、顎の周りの筋肉や関節の炎症、開口障害、顎関節の変形などの症状が見られます。関節構造が破壊されると、食餌をとろうとしても口が開かないため、徐々に痩せて行ってしまいます。全身状態が悪化すると、落鳥につながります。

 治療は抗生物質の内服を行います。
 軽度の呼吸器感染の状態で治療できて体重が増えて行けば、予後が期待できますが、感染が進行し、開口不全の状態になってしまうと予後は厳しいです。関節の可動域が減少しつつある状態では、顎をピンセットや綿棒などで動かし、リハビリをします。
 炎症が進んだ後では関節のダメージは不可逆的なものになっていますので、関節の構造は元には戻らず摂食障害が残ります。
 
 買って来たばかりのヒナで体重が減少しつつある場合は、一旦体重が増えるまでショップに戻した方が良いかもしれません。