鳥ポリオーマウイルス感染症




 ポリオーマウイルスが鳥に感染して急死や毛の乱れなどの症状が起こる病気です。

 ポリオーマウイルスはオウム目やスズメ目に感染する事が知られていますが、飼鳥ではセキセイインコによく発生が見られます。
 ヒナの急死が見られるため「セキセイインコのヒナ病」と呼ばれていました。生き残った個体も羽根の異常が見られ、別名「BFD」「フレンチモルト」「コロ」とも呼ばれます。
 感染した鳥は、羽毛や糞便を通じて体外にウイルスを排泄します。

 全年齢に感染性がありますが、どの年齢で感染するかによって、症状と予後が変わります。

生後15日:ほぼ100%が死亡
生後3週齢 -1ヶ月:30-100%が死亡
生後1ヶ ヶ月以上:発症せず

 生後15日齢未満の感染だった場合、全身臓器の出血と多臓器不全を起こし、数日以内に死亡します。繁殖場での発生の場合、ショップで販売される状態になるまでに死亡します。

 生後15日以上の個体に感染した場合、急性期の症状としては、元気・食欲の低下、体重減少、腹部膨満、嘔吐、下痢、羽毛異常、呼吸困難、死亡などの症状が見られます。
 生き残った場合にも羽根の異常が残ります。羽根の異常は徐々に収まって行く事が多いですが、ウイルス排泄は6-10ヶ月続きます。
 中には不顕性感染もあり、症状はなく、ウイルスだけを排泄していることがあります。

 鑑別診断としては、同じく鳥のウイルス疾患である「PBFD」という病気があります。見た目では判別できないため、血液、便、異常羽根をPCR検査を行います。

 得意的な治療法はあまりありませんが、インターフェロンの使用を検討します。