卵詰まり




 産卵途中の卵が詰まった状態で、高齢(4歳以上)、若齢(10ヶ月未満)、栄養・発育不良、産卵過多、ヘルニア、環境要因(15°以下)などが原因となります。
 
腹囲膨満、膨羽、呼吸速迫、飲水過多、水分過多〜タール状便、食欲低下などの症状が見られます。
 なるべく自力で出させた方が好ましいので、カルシウム剤を飲ませながら、28℃以上に保温します。しばらく様子を見て、生まないならピンセットで卵を取り出す外科処置を行います。
 詰まっている状態では弱っていることが多いので、無理にするとそのまま落丁してしまうことがありますが、ただし、詰まったまま放置しておくと体力が無くなって死んでしまいますので、処置はリスクを覚悟した上での最終手段となります。
 繰り返し産卵することにより、体力が無くなりホルモン的にもバランスが崩れていき、病気を起こしやすくなります。「
普段巣を入れっぱなしにする、ティッシュや暗がりに潜り込む、背中をさする」といったことは鳥を刺激して産卵の原因になりますのでしてはいけません。
 もしも卵を産んでしまった場合は途中で卵を取り上げず、全部の卵が出そろった状態で偽卵と取り替える方がいいです。セキセイは
1-2日おきに全部で5-6個の卵を産卵します。途中で取り上げると、際限なく卵を産む可能性があります。





卵管炎




 性ホルモン異常、細菌感染、産卵過多により卵管が炎症を起こす病気です。卵管腫脹により腹囲が膨満し、大きな濃緑色の軟便をすることが多いです。ホルモン的な異常により発情を示し背中を反らすなどの行動や作巣行動などが1ヶ月以上続く。産卵後1週以上しても腹部大きいときは疑わしいです。
 抗生物質を使用するとともに卵を産ませない環境をつくります。





卵管脱




よく産卵する鳥に多い病気で、産卵時のいきみによって卵管が脱出する病気です。
 脱出に気づいたら、なるべく早い時期に脱出を整復する必要があります。しっかり整復できたら、そのまま様子を見ます。繰り返し脱出が起こる場合には排便をできるだけの大きさを残して総排泄孔を縫合します。
 出血と感染がよく起こりますので、止血剤や抗生剤も併用します。