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人を咬む原因はいくつかあり、それぞれ対処法が異なります。代表的な物は支配性、独占欲、恐怖、捕食、痛み、縄張り/保護性、突発性攻撃です。また攻撃ではないけれども遊びで人の手足を咬むこともあります。
1.支配性による攻撃
一般家庭の場合にはこれが一番多いかもしれません。「俺の方が偉いんだ」と言っている状態で、人間が犬より上位の行動を取ったときに咬まれるのが特徴です。俗にアルファシンドロームと言われているものです。くわしくはこちら
2.独占欲による攻撃
自分物だと認識している物を取り上げられようとすると攻撃行動を示す場合があります。時に自分よりも上位の個体に対しても抵抗する場合があります。夢中になっているときに取ろうとすると興奮して咬まれたり、それがさらに価値のある物と認識して必死に守ろうとする場合があります。
取ろうとして罰を与えるより、一旦無視し、注意が離れているときに取り上げるようにします。嫌な味を付け、犬にとっての価値を減らすことも良いでしょう。飼い主さんとの上下関係を再確認し、リーダーシップを強化しましょう。
固執の弱いおもちゃをくわえさせ、ドライフードを1粒与え、おもちゃを離した時に合令をかけて褒めてあげると、人間に物を取られてもおこりにくくなっていくでしょう。優位性や恐れといった別の原因が無いかチェックしてください。
3.恐怖による攻撃
人間が怖くて、その状況から逃れるために人間を攻撃するものです。「あっちへいけ」と言っている物です。動物を追いつめたときに攻撃行動が起こります。くわしくはこちら
4.捕食性攻撃
「狩り」の対象とされている物で威嚇行動なしに攻撃が起こるのが特徴です。通常はあまり見られませんが、赤ちゃんや子どもが攻撃対象となったときには悲惨な結果となることがあります。
本能と大きく関わっているため治療や予防は困難なことが多いです。服従訓練をしますが、この行動が見られる個体はコンパニオンとして飼うのは危険を伴うため、飼育をあきらめざるを得ないかもしれません。
5.痛みによる攻撃
動物に痛みが加わったとき、動物は反射的に噛みつきます。攻撃対象が必ずしも刺激の原因にむくとは限りません。
病院でも診察中におこることもあります。犬に注射をしたときに飼い主が咬まれるというのがそれです(^_^)。
6.縄張り・保護性の攻撃
自分の群れを守るために起こる攻撃行動で、群のメンバー以外が対象となります。攻撃の前に威嚇が見られます。うなっているときに犬を叩いたりすると犬は混乱しますので、痛みを罰に用いないようにします。
家族を守ろうとしている行動で、対象が間違っているだけなので、大丈夫な相手であることを犬に分からせます。減感作療法(弱い刺激から少しずつ与える)を用い、すこしずつ対象にならしていきます。姿を見せ、吠えなかったら褒めるところから始め、すこしずつ対象を近づけていきます。うなる場合には刺激を少なくして再会します。急に進めると咬まれる可能性があります。できるなら対象となる人におやつなどをあげさせることも良いでしょう。
7.突発性攻撃
これは非常に危険な攻撃行動でイングリッシュスプリンガースパニエルなどで見られ、予測不能で手加減なしにおこり、噛まれた人は激烈なダメージを受けます。脳の中で発作が起こっているという報告もあります。
挙動不審になった後、犬が変わったように人を咬み、しばらくすると我に返ってきょとんとするそうです。
病院送りになった獣医さんも結構いるそうです。
8.遊びがみ
子犬の時におそらく一番困る行動の一つだと思います。子犬の時期は歯が抜け替わる時期でもあり、歯がむずむずします。なにかを咬みたいという本能は持っています。ただしそれはいい方法で解消してあげないといけません。咬んでも良いおもちゃを与え、紛らわしいおもちゃや手を咬む癖はつけないようにします。
手を咬んでいるときに飼い主が一緒になって喜んでいると、犬は「人を咬むと楽しい」と覚え、余計咬もうとするようになります。そうではなく、「人を咬むとかまってくれないようになるから咬むのはやめよう」と犬に考えさせなければなりません。
犬同士でも強く咬みすぎると相手はキャンと鳴いたり、離れていってしまいます。叩くことは逆効果なのでしてはいけませんが、していけないと子をしているときには「痛い!」と分かるように言ったり、そのままその場を離れる必要があります。
犬が悪いことを覚えるときにはたいがい犬にとってのご褒美が与えられているときです。何がご褒美になっているかを考え、まずそのご褒美を止めることから始めましょう。
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