 |
|
|
 |
|
肺は酸素を体に取り込むための臓器です。肺の内部にある肺胞と言うところで空気交換をしています。
肺胞内は健康な状態では空気に満たされています。肺水腫の状態では肺胞内が水浸しになります。
|
 |
|
|
空気交換の能力が著しく低下するため、動物は呼吸困難、咳、気道からの泡状物の排出、ごぽごぽという気道音などの症状を見ます。症状は急に出ることが多いです。首を伸ばしての呼吸や前肢をワニの様に拡げる姿勢などは重度の呼吸困難を示しています。
診断はレントゲンで肺野を確認することによります。合わせて心臓の大きさや血管の太さなどを見ます。すでに呼吸困難を起こしている動物では興奮することで悪化するため注意します。
原因は心臓病時の肺高血圧から二次的に来ているものの他、肺に原発の病気からなっているものまであります。心臓病からの発症メカニズムは
「心臓のポンプ能力低下→左心房内圧上昇→肺高血圧」です(僧帽弁閉鎖不全症参照)。心臓の悪い動物では今までも悪いなりに何とかやっていた所に悪要因が重なり肺水腫を発症したと言うことが多く、前から悪かったことが多いです。冬は特に心臓に負担のかかる季節なので注意が必要です。
原発肺疾患の原因としては、煙吸入、誤嚥、溺れ、肺挫傷、敗血症、膵炎、重度尿毒症、ヘビ毒、パラコート中毒、感電、DICなどが報告されています。
治療は原因疾患があればそちらを治療しますが、酸素補給、ケージレスト、鎮静薬、気管支拡張薬、利尿薬などを組み合わせて行います。
重度の呼吸困難を示している動物では急変することが多い病気であり注意が必要です。興奮と運動は悪化する原因になりますので避けましょう。
心臓の悪いコでは集中治療により一旦良くなったように見えても心臓病は治ったわけではないので今後も心臓病の治療を続けつつ動物に無理をさせないよう気をつける必要があります。 |
|
|
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
|