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体内では、食物から得られたアミノ酸を元に、肝臓やリンパ組織でタンパク質を作り出します。
タンパク質は、アルブミンやグロブリン、その他の形で、体内の代謝や物質の運搬、血液浸透圧の維持、免疫力の維持、血液凝固など、様々な働きを行っています。
体の中で働きを終えたタンパク質は、尿や便を通じて体外に排出されたり、また新しく作られるタンパク質の元になります。
体の中では、失われるタンパク質の量と、新しく作られるタンパク質の量とが釣り合っているため、血液中のタンパク質濃度は常に一定に保たれています。
低タンパク血症とは、作られる量よりも、体から失われる量が上回ることにより、血液中のタンパク質濃度が低下した状態のことです。
体の中のタンパク質の「産生量<喪失量」となる状態には、以下の種類があります。
1.合成低下
・全身状態の悪化
飢餓や栄養不良、悪液質などの状態になると、原料となるアミノ酸が不足し、タンパク質を体の中で産生できなくなります。
削痩や全身状態の悪化などの臨床症状が同時に見られます。
・肝臓機能の低下
アルブミンなど、体内のタンパク質の多くは肝臓で合成されます。
肝炎や肝硬変などの状態で肝臓の機能が低下すると、蛋白合成も低下することがあります。
肝臓の異常があれば、血液検査で肝臓の数値が上昇します。
2.体外喪失の異常
・皮膚疾患からの喪失
重度の滲出液が見られる皮膚疾患の時は、滲出液と共にタンパク質が失われることがあります。
・腎臓からの喪失
ネフローゼ症候群により、腎臓からタンパク質が失われます。
アルブミンの成分が主に失われ、グロブリンは体内に保たれるため、血液中の蛋白分画は特徴的なパターンを示します。
腎臓の機能低下もあれば、腎不全の数値も上昇します。
・胃腸からの喪失
胃腸管からの出血や、タンパク漏出性胃腸症の時は、胃腸からタンパク質が失われます。
アルブミンやグロブリンなど全分画の低下となります。
出血があるときは貧血が共に見られます。
胃腸疾患の時は、嘔吐や下痢などの症状が見られることもあります。
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