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尿失禁とは尿道を閉じ膀胱が拡張していく尿貯留時に尿の排出が起こってしまう症状です。
原因は解剖学的な異常、膀胱の機能不全、尿道の閉鎖機能不全の3つに分かれます。 |
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犬における尿失禁の主な原因
幼犬
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成犬(雌)
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成犬(雄)
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異所性尿管
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後天性尿道機能不全
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後天性尿道機能不全
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先天性尿道機能不全
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尿路炎症
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前立腺疾患
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尿道/膀胱形成不全
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排尿筋不安定
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神経性障害
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膣異常
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膣尿貯留
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尿道閉塞性尿失禁
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半陰陽
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神経性障害
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排尿筋不安定
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失禁の起こる時間や間隔を調べると共に、頻尿感や陰部を舐めるなどの他の症状がないか、過去最近に避妊手術をしていないかなどに注意します。尿検査や場合により超音波検査やX線検査を行います。
膀胱内に尿が過度に貯留して「漏れ出すように」失禁が起きている場合は尿閉からの二次的なものですので尿閉の鑑別診断を行っていきます。
泌尿器系の膀胱炎などの病気では頻尿感によるものであり、副腎皮質機能亢進症や糖尿病.etcでは多飲多尿からくるものなので、鑑別除外をします。一般的に頻尿や多尿から来るものは不快感を伴います。
幼犬で見られるものでは異所性尿管などの先天性の異常の可能性が考えられます。
神経学的検査をして脳や仙髄の病気の可能性を調べます。脳疾患では排尿機能のコントロールの不全、仙髄疾患では膀胱への収縮の指令の欠如が起こります。過去に交通事故に遭っていないかどうかも考えます。
犬では神経症状がないときの尿失禁では排尿筋の機能不全が多いと言われています。
排尿筋の機能不全としては避妊・去勢手術、膀胱と尿道の位置や長さ、肥満、特発性などが考えられます。
性ホルモンは膀胱頚部や尿道平滑筋の運動性に影響を及ぼしているため、避妊手術後尿失禁が起こるようになった場合には可能性を考慮します(発生はまれです)。
尿閉や膀胱炎、内分泌疾患、神経疾患といった病気が見られたときにはそちらの治療を行います。神経疾患から来るものでは反応は難しい場合があります。
明らかな疾患が見つからなかった場合はまず診断的治療として尿道の閉鎖能力を増強させる内服薬を使用してみます。平滑筋の反応性を高める働きを持つα-アドレナリン作動薬の反応率は75〜90%と報告されています。雄では雌よりも発生はまれですが、治療に反応しにくいと言われています。その他にはエストロゲン.etcの薬があります。
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